2018-08-31

精一杯の物資提供

ある日、うちのエレベーターを待っていると一枚の張り紙。


そこには(うる覚えですが)こんなことが書かれていました。

「毎日、何百食もの食事を難民の皆さんに提供しています。いろんなものが不足しています。もしみなさんのご家庭に米、麺、小麦粉、油、塩、砂糖、石鹸、歯磨き粉、使い捨てカミソリ、保湿クリームなど、その他日常品の支援物があれば、ぜひこちらまで提供お願いします。18 rue cornulier Nantesで毎日18時〜20時の間受け付けています。」


すごくソワソワした。
これなら、わたしにだって出来る。

我が家にはたまたま仕事場のファーマシーでいただいた試供品があったので、すぐに「持っていかなきゃ」と思った。

家についてソッコーで、持っていけそうなものをかき集めた。

数日後、やっと時間を見つけて荷物を届けに行ってきた。
指定された住所には、昔営業していたであろうバーのショーウィンドーにたくさん張り紙がしてあって、たくさんの人が出入りしていた。

一人で行ったのだけど、すごく緊張していたし、実はとっても怖かった。

その建物に足を踏み入れた途端ものすごい多くの視線を感じて、立ちすくんでしまった。小さな声でBonsoirというのが精一杯で、周りさえも満足に見渡せないくらいドキドキしていた。私の前に女性が一人、服やらなんやらを持ってきていて、担当の人に見せていた。このとき「あぁこの人のように服も持って来ればよかった」と思った。

女性が他のものを取りに車へ戻っていったので、私は自分の紙袋をその男性に渡した。そのときやっと私の周りには男性ばかりで女性はほとんどいないことに気づいた。そして皆さんソファに座ってダランとしながら、私をじっと見ていた。

男性は笑顔で「どうもありがとう」と言ってくれた。
私は頑張って「またね」と言って帰ってきた。


最後その場で、電気もない暗い室内を見渡して
ふと自分が持ってきた紙袋に視線を落としたとき、
そこにあったキラびやかなデザインの保湿クリームや化粧品たちがあまりにくだらなく思えてしまって、自分が情けなくなった。




帰り、車を運転しながら私は泣いてしまった。

いろんな思いが錯綜して、少し気が動転していたように思う。





人が海を国を渡ってまで逃げなければならない世の中はおかしいよ。

どうして特定の人々が親しんだ土地を離れ家族と別れ、そのような苦しい目に合わなければならないのか。

私はたまたま、そういうことが無い人生を送っている。
そう、たまたま。






どこかの国では防衛費に多大な予算を当て、
その一方で生活保護費の減額を決めた。

世の中で一番重い罪は、人を殺すことだ。
でも戦争に行くと、人を殺すことを強要される。

戦闘機や人を殺すことにお金をかける国、

いろいろな理由でお金が稼げなかったり
苦しんでいる人からお金をとりあげる国の

一体


どこが美しいんだ。

世界一醜い。



2018-08-30

さいきん

散歩

散歩2
朝晩の気温差が激しくて、今朝なんて車のフロントガラスの上部にうっすり霜がかかってた… なのに昼間は半袖で全然楽々歩ける。



先日ゲットしたナント市賞のおかげで、2年間市からアトリエが提供されます。アトリエっていうか、日本だとスタジオっていうのか???
で、今すんごい断捨離をしてる。つもりだけど、なかなか進みません。
こんなん出てきました。学生の時に作った作品、懐かしい。



2018-08-29

アート雑誌 L'ŒIL(ロイユ)

L'ŒIL(ロイユ)にわたしの展示について書かれた記事が載ってます😲

知ってる雑誌に自分の名前がこうして掲載されているのを見ると、やっぱ感慨深いものがありますね。

この雑誌を買う時、レジで並んでたらジョニーのポストカードが!!!
そして、買ってしまった。。
ジョニ・ハリデーは先日残念ながら他界されましたが、フランスで超が100万回くらいつくほど有名なフランス人歌手です。




ジョニーのことは置いといて。
こういった雑誌や新聞に載ることが、一つの「成果」になることがあります。確かにそうかもしれない。私も実際、フランスの有名なアート雑誌に載って超嬉しいです。
ただ、この雑誌のことをわたしが好きかというのはまた別の話であるし、こういう場に載ってるアート作品やアーティスト以外にも、よっぽど面白いアーティストやアート作品が山ほどあるということを、忘れないでほしいなぁと、自分に語りかけています。


2018-08-24

あの香り!

初めて日本を出た時、渡航はボルドーで1ヶ月語学勉強をするのが目的だったのだけど、ホームステイしていたマダムの家から語学学校まで、毎朝わたしはトラムに乗っていた。

その中でしょっちゅう漂っていた香り。。

ドキドキがおさまらない心臓を抱えて、慣れないながらも充実していたあの生活の思い出を、一瞬にして思い出させる香水がある。

(→前にもこのこと書いてたね笑)


でも、
ずっと…。
この香水は一体 どこメーカーの何なのか
と疑問に思ってた。


ときどきこの「あのドキドキを思い出させる香水」をつけた人にすれ違うだけども、知らない人に「何の香水つけてるのー?」なんて聞けるはずもなく。

で、今日たまたま荷物の整頓をしていたら、どこかのお店で以前もらった、香水の試供品が出てきた。わたしは自分の香水を持っているので、新しい香水に興味はなく、捨てようと思った。
でもそのとき「そのまま捨てるのもなんだし、どんな香りか嗅いでから捨てるか」
と思ってプシュッとやったら、、、


えっ

あっっっ

これはーーーーーー!!!!
これやーーーーーーーーー!!!!!!!!
わたしの初めての海外を一瞬で思い出させる香りはこれやーーーーーーーーーーー!!!!!

Coco mademoiselle chanel!!!

やっと見つけた!
そんなすごく探していたわけでもないけど、すごく嬉しかったし、もちろんそのときもボルドーの生活を思い出して、ジーンとしていました。

CHANELなんて誰もが知ってるめっちゃ王道のメーカーで、一人で笑ってしまったけどね。笑


2018-08-21

運び屋のvincent

昨日、夕方18時くらいに自宅で翻訳の仕事をしていたんですが、ボリスケが

「ジョニーから、手紙来たよ!このムッシューが持ってきてくれた。マキコちょっと来て!」
と言うではありませんか。


これが届けられたお手紙。
絵です。裏には文章が。


…???


「ジョニー」(美術学校時代の友達)も
「手紙」もわかるけど、
「ムッシュー」って、誰よ?






訳も分からず玄関に行くと、蛍光ピンク色のTシャツにピチピチのスポーツパンツを履いたおっさんが。自転車に乗ってきたらしいけど、その自転車が普通のものではなく、体を寝かせた状態で漕ぐ形のもの。
このおっさんを見た瞬間すぐに、絶対面白い人だと思った。



まず自己紹介していただくと、こういうことだった。

おじさんは定年退職してからというもの、このチャリに乗ってフランス中駆け巡って「手紙を運ぶ」ことをしているらしい。


6月頭、ストラスブールで出会ったジョニーに「ボリスとマキコにこの手紙を」と頼まれたらしい。で、今日来た。その間いろんな人のところに手紙を届けては話をして、ゆっくりと任務をこなしているらしい。
日によっては150km漕ぐこともあるそうな。でも時には3kmだけのときもあるそうな。


このおじさんの名前はvincentヴァンソンといいます。いやー持ってる持ってる、話のネタ…!じゃないとこんなことやんないよね。
ひょいと現れて、結局2時間くらい彼とだべっていました。
本当は夕食も一緒にできればよかったのだけど、ボリス母がうちにキッチンの工事の手伝いで来てくれてて、家中かちゃかちゃ。それどころではなかったのが残念だった。けど、面白かったなー
ありがたいことに冷蔵庫に冷えた麦茶と、戸棚にヒロムからもらったそば粉のビスケットがあってよかったー(ホッ)




彼曰く、インターホン押してドアが開いて
「手紙届けに来たよー」
って言うと、

80%の人が「なんだこいつ」
みたいな顔をするらしいんだけど、

残りの20%の人はすぐ「あらあら、ようこそー」
ってなるらしい。

ドアを開けたボリスケは80%側の人で
わたしは20%側の人だ、と言われた笑


あ、あと面白いなーって思ったのは、彼は何に対してもイエスというらしい。じゃないと何も始まらないから。NOと言ってしまうとそれで話は終わってしまう。
常に何か面白いことを探しているヴァンソン。
帰り際「今週末から孫を4人も一人で預かるんだよしかも1週間だよーやだよー」とぼやいていた笑。もちろん孫のことは大大大好きだけど、4人もいっぺんに預かるのは (しかも丸々1週間も笑)やっぱ辛いんだって。そういう弱音(?)を、さらりと嫌味なく言えてしまうのは本当に得だなーって思う。





おっさんはちゃんとブログも持ってて、彼のドキュメンタリー映画も今作られているそうだよ。これがそれです↓
Le messager du clepscycle
(フォントがとにかく読みづらくて、見た時「ヴァンソン…笑」って思わず突っ込んじゃった。)

一緒に写真撮ったけど、自分の顔が
そ・う・と・う ブサイクだったので隠しました笑

ヴァンソンに出会えて面白かった。
もちろんとある友人に手紙を1通託しました。

わたしたちを選んでくれたジョニーにも感謝しないとね。

2018-08-19

ハガキと切手

この間日本へハガキを送る用の切手を買おうと、郵便局に行ったらこんなに種類があって(って言っても5個…)、郵便局のおばさんとわたし、二人して驚いたよ。
「選べる」んだね!って。笑
まぁこんなもんです、フランスの地方クオリティ。。。

これらは日本に住むわたしとジョンの師の元へ…

これはジョンのお父さんにお願いして書いてもらった。
「家にあるオブジェを一つ選んで、絵を描いて」 って言っただけなのに、なんかすんごいことになった!笑
ジョンパパ天才。。

2018-08-18

Blessure Magazine 4

Chambre Charbonの新しい本が出てます。
すっかり告知するの忘れてた!
今回私は参加してませんが、いつものごとくアーティストのセレクション等はすべてボリスケがやりました。

180ページにもなって、分厚い立派な本になりました。中身も濃厚!


Blessure Magazine 4

with:
Brenna Murphy
core.pan
Daylen Seu
Everest
amie and Rickie McNeill
Marine Léauté
Marvin de Deus Ganhitas
Nicolas Sassoon
Sabrina Ratté
Ulysse C. Müller
Ville Kallio
Yannick Val Gesto
Boris Détraz

25 euros
21x30cm, 180 pages, 2018

ちなみにここから購入できます
http://chambrecharbon.tictail.com/


ジャミラは関係ないけど、chambre charbon(シャンブル・シャルボン)のマスコットはこのわたくしです、いちおう。。


いまさらハウル

泉の中に服を置いて、水圧で洗濯中(と思われる)笑
なんて頭いいんだ!!!(*o*)

フラックの展示にも友人たちと行ったよー
わたし、おばさんっぽいな



中学生のとき「千と千尋の神隠し」を見て、その日から数日いろんなことがまともに考えられなくなるほど衝撃を受けた。(確か、この映画を見るためだけに3回も映画館に連れて行ってもらった記憶が…)

あまりに心を奪われてしまったんで、
その次回作だった「ハウルの動く城」が世の中にお披露目されたとき、もぉんのすごい期待をして映画館に行きました。鼻息荒くして、今度は絶対もっと面白いだろう!って。

なのに、当時高校生だったわたしはとっても「つまらない」と思って、悲しくて、とても落胆して映画館をあとにしたのをよく覚えている。
あまりにショックだったので内容さえも覚えていない。本当にま・っ・た・く!



それから15年が経ちまして、昨日。
ボリスケがたまたま中古DVD屋さんでハウルの動く城を見つけて買って来た。で、夕食後なんとなく2人で見たんですが、すんごい面白くって。映画見終わったあとゆめうつつで不思議な気持ちになりました。

純粋な愛の気持ちと、実験的で少しクレイジーな物語や設定が、すごく胸を打ちました。映画を見ながらずっと自問していた
「なんで高校生のわたしはこれをつまらないって思った?」

確かに話の内容ではあやふやで、明確な答えのない部分があったりする。思春期の青年にはまどろっこしかったんだろうか。


個人的に、ジブリシリーズでけっこうトップを争うくらい好位置にやってきたハウル。またちょっとたったら見直そうかな。

2018-08-17

ナント観光

リア充かいっ!
リア充っていう単語は、リアル(現実)の生活が充実している人物って意味らしいです。
まぁカフェでお茶するより楽しいことは、世の中に山ほどあるけどね…



足出てますよー

この間結婚したルーシーとダヴィッドがナントに遊びに来たよ。で、ナントでラーメン食べたよ!ラーメンってこんな味だったっけ。美味しいけど、なんだろう。うーん?

ナント市内のアートイベントを見て回ります。



 こちら、今年からできたtransfertだけども、夜とかに来るときっと良かったんではなかろうか。。
わたしはこの滑り台がしたくて、子どもに混じって列をなしていたんですが、5歳くらいの女の子が
「お姉ちゃんは大人で大きいから、これは乗っちゃいけないんだよー」というではありませんか!(*o*) 

(グググ…😠

でも確かに、よく見ると14歳までって書いてある!

けどね、
お姉ちゃんね、
君たちが何処かに行ったあと、 
遊んだよ。
楽しかったよ。 



いい天気でした。

2018-08-16

Ouest Franceの新聞記事

Ouest Franceというフランスの新聞に、Armenとわたしの展示について書いた記事が載っているのだけど。
(わたし、何ていう遠い目をした顔だこと、、、笑)
新聞に載ったことで広報になるのでそれはありがたいことなのですが、一つ気になる点が。
記者会見(プレスリリース)のとき、わたしはいつもの調子でぺちゃくちゃしゃべってたしゲラゲラ笑ってた。でもこの新聞記事ではわたしは

内気で(Timide)、何事があっても冷静でとり乱すことなく周りへの尊厳を忘れないような(Digne)アーティスト…なんだそうな。笑
理由は簡単、なぜなら日本人だから。

dignitéていう単語は訳しづらいんだけど、よく日本人のステレオタイプで使われる。
頭には来ないけど、呆れて笑ってしまった。
わたしのどこが内気なのだ。
そして尊厳も何もない。笑


メインルームで展示しているArmen Eloyanについては、刺青で覆われいる見た目とアルメニア共和国の訛りがあるから「風変わりで変わった」アーティストだと。笑

どんだけ貧しい表現方法なんだろうか!
さすがに黙ってらんないと思ってsnsに晒しましたが。

人によっては「新聞に載ってるだけですごいじゃん」という人もいる。そうかもしれないけど、こんな風に嘘っぱちな型にはまった表現を何万という人に読まれる身にもなってほしい。ここで声をあげないと、それを認めたことになってしまう。私たちの展示を取り上げてくれたことにはもちろん感謝しているけども、もっと違う書き方があるんではないのかしら。





2018-08-15

アドリアンたち

相変わらずの友人たち。

友人が所有する田舎の倉庫で爆音を!
右のアホリアンじゃなかったアドリアンは、1週間後に韓国へ。ワーホリを利用して約1年の滞在をするそうだよ。左のロマンは秋に日本へ旅行へ行きます。
アドリアンがいなくなるのはやっぱり寂しいけど、韓国へ長期滞在するのは前から彼の夢だったので、とっても嬉しい。よかったね!


笑!!!!
これやってるとき、面白すぎて涙流しながら笑ったーーー あーー今思い出しても泣けてくる笑

 マネキンと私。
とアドリアン。

2018-08-14

Mega Press

ニューヨークで活動をしている Mega PressTrapper Keeper 6に、作品を提供しました。
mega pressを運営しているPanayiotisから「参加してー」っていうメールもらったとき、自分でもすんごいびっくりしたけど同時にすんごい嬉しかったよ。

Panayiotisによる表紙。
こちらわたしのページ。
リソグラフで印刷されているんですが、本当にクオリティがすごい!
参加アーティストのみなさま↓

Panayiotis Terzis
Yuriko Katori
Extra Vitamins
Kurt Woerpel
Teng Yung Han
Irkus Zeberio
Alexis Beauclair
Anna Pipes
Makiko Furuichi
Apolo Cacho
Nichole Shinn
Lane Milburn
Ben Marcus
Benjamin Brubaker


ちなみに日本で手に入らないかもしれないけど、サイトから直接買えます!

2018-08-13

イギリス⑦

ロンドンに着くと、人がたくさんいてビビる。
サフォークには、こんなに人はいなかったぞ


Camden Arts Centre でパリに引き続き毛利悠子さん。

 カフェでお昼休憩

 そのあと悩んだ挙句、テートモダンへ。


たまたまJordan Wolfsonのこの作品を見て驚愕した。

鎖に繋がれたパペットが、すごい爆音と共にステージを動きまくる。


今回あまり時間がなかったのと、他に面白そうな展示が見当たらなかったので、
1度来たことのあるテートモダンのしかも常設展を見るのはどうかな、と思ったのだけど、Jordan Wolfsonのこれを見て「来て良かった…」と心底思いました。
美しい



そのあとすぐ近くでキティたちと待ち合わせ。
 さいだー。フランスでいうシードル。
 にくーーー!

私の周りで繰り広げられるブリティッシュ4人の会話には、わたくしは正直まっっっっったくついていけなかったわけですが笑、これはどうしようもない。私は潔く自分のキャパを認め、聞き取れる単語を頼りに会話を想像しながら肉をムシャムシャ食べていました。

そこで無理に「会話わかる?」「今こういう話してたのよ」とか言われると、あぁ全部何がなんでも理解しなければ、と辛くなるものですが、今回集まった4人はそういうの無くて自然に彼らの会話を楽しんでいたので楽だった…
先日ナントで会ったアンディも来てくれていたのだけど、彼はこの日の早朝、香港の仕事から戻ったばかりで超興奮していた。近代化が進む中国の話を聞くと、本当に日本経済は後退しているなぁとしみじみ感じます。決して裕福ではない私の友人(フランス人たち)が、それでも日本へこぞって旅行に行き「思ったより安かった」というのも、そのためではなかろうか。


楽しかったなぁイギリス。。また来たいよー
 
コルテオ 太陽光発電