2019-07-31

歯列矯正

2月頭にクォード・ヘリックス(Q.H)という、
上の歯を広げる装置を設置しました。
これが曲者で、食べ物は引っかかるししゃべりづらい。
これが約1年続くのかと思うと、道のりは長い。


3月終わりには上の歯にブランケットを設置。
その1週間後には下の歯に。

7月半ばには所々ネジを加えて、歯と歯の間を開けるシステムが加わった。


痛いよ。





残念なことだけど、
食べることに少し消極的になったように思う。
すべてがことごとく引っかかるので、家ではいいけど人前で何かを食べることが億劫になった。食べる速度がめちゃくちゃ遅くなったし、人と食事に行くといつも皆んなを待たせる。食後は毎回鏡みて歯をチェックしなきゃいけない。
だからオープニングパーティとかでも、飲み物は飲むけど、全然食べなくなった。



基本的に人前でご飯食べたくないけど、特に
一番人前で食べたくないのは
・細い麺類(驚くほどすべてがすべてに絡む)
・繊維の多い野菜や果物
・スイカ(赤い果肉が前歯にびっちりつく笑)


食べられないもの
・硬いもの。(フランスパンや生野菜、硬い肉やサラミ)
・かぶりつくもの



常にどこかの歯の根っこが痛いのだが、日によってそれは異なる。しかし一番驚いたのは、歯自体ではなく器具によって傷つけられる口の中の皮膚。時々ズタズタになって腫れたり血がでたりする。
歯全体をつなげている針金のようなものが、口の奥で皮膚にささる。それがささいなことのようで、けっこう痛い。



でもここ4ヶ月で実はすでにけっこうな成果があった。
下の歯が、一本の歯を除いてだいぶ綺麗になった。あまりに早く動いたので歯医者さんもかなり驚いていた。子供並みだ、と笑
上の歯は下の歯より動くのが遅いらしいけど、あんまりこれといった発展は見えず、ただ痛い日々が過ぎる。



歯医者さんの元にいくのが毎回楽しみでならん。
少しでも進歩を目の当たりにすると元気がでるし、そもそも私の歯列矯正士の先生はとても風変わりな人で、話が面白いのだ。そして施術中ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーと彼は話をしている。笑

きっと普段子供ばかり相手にしているので、私みたいなアラサーと話すのは気分転換になるのであろう。私も自分の歯の進化に興味深々で、毎回たっぷり質問を用意していくので、毎回時間オーバーになる。
彼はこの仕事が好きなんだろうなぁって思う。
最初は「何この変人」って思ったけど、今はだいぶ心を開いて、むしろ好きです。



順調にいけば2年で終わるんだけど、終わるといいなぁ。

カナダ回想 カナダの日②

カナダデーの夜、アーティストの友人たちが食事に誘ってくれた。
友人といっても年齢は平均50〜60?
面白い家があるから、ぜひ牧子を連れて行きたいと。


個人宅なので写真は載せられませんが、なんと森の中の大きな土地を購入したこの夫妻は、家のほぼすべてを自分たちで作り上げてしまったそうだ。

何を隠そう旦那様は木材の技術者。
この椅子は30年前につくったそうだけど今も現役。
360度緑に囲まれた、広ーーーーーい素敵な木の家。
あいた口がふさがらん。



テラスで食事。


ケベック州出身の奥さんと、オンタリオ州出身の旦那さん。
彼は日本に興味深々。多分日本人とこれだけ会話をしたのは初めてなのではなかろうか。いろんな質問を受けまくったが、全部ちゃんと答えられたか心配。




日本は置いといて、彼らの話が本当に面白かった。



彼らは30年ほど前、
各自マイ自転車を持ってパリへ渡仏。(それだけでもすごいと思うけど)
それから6ヶ月ほどかけて中東まで自転車で旅行したそうだ。


1週間に一度ドミトリーに泊まるのだけど、支払うのは1ドル程度。なぜかというと、ドミトリーの敷地内に自分たちのテントを張って寝るから。目的はシャワーと洗濯。どこまでもすごい笑


旅が終わってカナダに 戻ってくると、奥さんの方がカナダに入国出来なかった。
彼女はもともとフランスからの移民で、幼少期にケベックへやってきた。まだカナダのパスポートを取得しておらず、空港で「待機」となったそうだ。
どうしようもないので話を始めると、入国審査官が
「それでは、ケベック(カナダ)に帰化することをここに証明しなさい」と言われ、直筆の宣言書とサインを書かされたそうだ。それでなんとか免れたそうだ。(そして実際にそうした)






さらには彼女の両親の話だけども、
お父さんはユダヤ教、お母さんはキリスト教。
お互いどちらも絶対に宗教観を譲ることはなく、日々激しい喧嘩をしていた。父は時々仕事で数日家を留守にすることがあったが、母は日曜に行われるミサへ子供達をこっそり連れて行ったそうだ。子供ながらにその記憶は鮮明で、そのことは父に「絶対秘密」だったそうだ。


家の裏。
この階段ももちろん手作り。

今年の話だけども、冬も終わりに近づいた頃、家の敷地内に子熊が現れたそうだ。母熊はおそらくもうこの世にいなくて、不憫に思った旦那さんは試しにお菓子などを、子熊が居座っている木の近くに置いた。しばらくするとやって来て、美味しそうにそれを全部平らげる。
時にはハーゲンダッツをあげたりしたらしい!笑 贅沢。

箱の底を何度も舐め回す姿が本当に愛らしかったんだって。写真見せてくれたけど、めっちゃ可愛かった。

結局このまま続けていくわけにもいかず、行政に連絡して引き取りにきてもらった。なるべく熊を痛い目に合わせたくなかった 夫婦だったが、数人の大人達に恐怖を抱いた熊はパニックに陥り、結局麻酔銃を打つほかなく。眠った熊を抱かせてもらったときはすごく感慨深かったと。





これらの話はほんの一部で、いろんな話が聞けてすごく面白い1日だった…カナダデーの夜は花火があがるんだけど、そんなん気にもせず。笑

旦那さんの方の木のアトリエも見せてもらって大感激。彼らもすごく嬉しそうだった。

カナダ回想 カナダの日

毎年7月1日はカナダの建国記念日です。

美術館や博物館が無料になるので、行ってみた。

戦争博物館



武器や戦闘機、爆撃の音や映像に心をやられて、建物を後にする。

中国系スーパーで大福?ココナッツ餅?を買う。
これが、食べるの大変だった!歯列矯正器具のため、思うように噛み切れなくて飲み込めない。窒息しそうになって、もうこんな大きなものはいっぺんに食べないと決めた。

町中お祭り騒ぎだ。
みんなカナダカラーの赤を着ていたのに、私はこんなかっこ。


そのあとは歴史博物館へ。

建物が巨大過ぎて、撮った写真載せきれないよ…


国会。


続く



2019-07-29

Le Voyage à Nantesの話

Evorに会いに行った。
昔の同居人である。


彼は今も同じアパートに住んでいる。
ナント市の超・中心地。
植物が大好きである。
ついには、誰も頼んでもいないのに
趣味で共同中庭に植物を置き始め、庭を作ってしまった。
私が写真を撮りたいといったら、背中ならいいよ
ってしぶしぶ。笑







3年ほど前、彼はナントで毎夏開かれているLe Voyage à Nantesのとある展示のキュレーターをつとめることになり、 責任者が彼の家を訪ねた際、そういえば、という思いで庭を見せた。

すると責任者は庭の美しさに仰天し、
庭自体もプログラムに組み込まれることとなった。


それがこれです。
https://www.levoyageanantes.fr/etapes/jungle-interieure/





彼はベルリンへ夏休みに行くので、
私はその間の水やり任命された。光栄です!
大半は自動水やりシステムで大丈夫なんだけど、最上階部分は全部手作業。



私も今年はホテルプロジェクトで参加しているし、
二人揃ってこうやって大きなアートプロジェクトに名を連ねられたのは本当不思議。私は今でも彼が大好きだし、心を割って正直に話せる少ない友人の一人である。

 私の手のフィギュアあげたら、彼の手の彫刻の横に置いてくれた。かわいい。




2019-07-28

ホテルプロジェクトの裏話

Chmbre d'Artiste by Le Voyage à Nantes

Dream Jungle in Hotel Amiral
https://www.nantes-tourisme.com/fr/hotel/chambre-d-artiste-de-l-hotel-amiral


すっかりこのプロジェクト実行期間の話をするのを忘れていました。
ことは4月にさかのぼりますが、結局制作期間2週間。ほぼ缶詰状態。っていっても、結局ホテルに寝泊まりすることは逃れました(ほっ)

この筆何年使ってるんだろ…
そういえば画塾時代から使ってるのもあるし、ざっと15年。新しいのも随時買ってるけど、自分で言うけど物持ちいいよなぁ


テクニシャンのピルゥが棚を設置中、の図。


浴室。


制作中音楽を聴いてテンションをあげる。
今回はほぼ電気グルーヴとか(なぜか)宇多田ヒカルだった…笑
Xiu Xiuを聞くと感傷的になって、なかなか進まない。
そして気分転換することが特にないので、自撮り。
そして音楽を聴きながら一人で踊ったりしていた…。パラダイス笑

歯列矯正も同じ時期に始めたので(なんてこった)
食べるのが辛い、上手く噛めない。
これはジョンが食べ物を小さく切ってくれた、の図。


2週間の間、最初はストレスマックスですごくいらいらしてた。
実はこの間ファーマシーの仕事も並行しているので、午前中は仕事してそのままホテルに直行して夜まで描いて、、って感じだった。
いろんな人が関わってるプロジェクトなはずなのに、いざ制作が始まると部屋にはいっつも一人。かジョンと一緒。
だからすごく孤独感満載で、時々寂しかったなー

だから今でもあの部屋行くとき
誰かと一緒だと、変な感じする。





最後の最後、ニスを塗る段階のピルゥ笑
やっとテクニシャンが戻ってきてほっとした
 机。

最後、ジョンがコミックをプレゼントしてくれて、泣きそうになった。本当に嬉しかったーーー
お疲れ様「した」笑
ありがとう!!!!







2019-07-27

カナダ回想・プレゼン


プレゼンした時の写真ゲット。
 


レポートを書き終えて提出した!いろんな反省点はあるけど、とりあえず一人で知らないところへ飛び込んで、無事任務を終了して帰ってきたので良しとする。




石川の方言で「ちゃべ」というのがあります。
おしゃべりな人という意味だけど、個人的には「でしゃばる」的な意味もあるような気がするけど。

今ネットで調べたらこんな例文が。笑
あんたちゃべちゃべしとるし、嫌われんて
(あなたはおしゃべりだから、嫌われるんだよ)

小さい頃、学校でちゃべというあだ名をつけられたことがあります。あぁ私ってうるさいんだなーって思ってたけど、日本ではそれだと浮くし、うざいんだよね。きっと。
ちゃべは日本社会では悪なのかね、嫌われちゃうんだね。(あっ、私嫌われていたのか!?)


こんな「ちゃべちゃべ」した自分を
実は、自ら心の奥底で少し嫌だなぁって思っていたのだけど、
カナダの人は面白いと言ってくれたし
とぉっても暖かく受入れてくれた。
こんなささやかなことが
私の中で最強に嬉しかったし、感動したのです。

今回のレジデンスが楽しかったのは、多分それが大きい。
(フランスに来た時は「ちゃべちゃべ」したくても、満足に仏語が話せなかったので できなかった笑 でもその後フランス人は「ちゃべ」にそれほど寛容ではないことに気づく。)


自分らしくいられるだけで、こんなに心が軽くなる。

人が楽しく幸せにいられるには、
別に特別なことはいらないんだなって思った。





フランス戻ってから少し落ち着くかと思ったけど、すげーわたわたしてる!なんじゃこりゃー

実はカナダ滞在中、別のフランスのレジデンスに応募していて、一つ通ったのでまた秋から忙しくなるよー


あの優しいケベックのみんなに会えるのは、次はいつになるんだろうか。


カナダ回想・みんなでプーチン

Axenéo7で働く人々は、バラバラに昼食をとる。


ちなみに
ケベックでは昼食のことをdiner(ディネ)という。夕食はsouper(スペ)だ。

フランスの仏語で昼食はdejeuner(デジュネ)、dinerは夕食。
だからディネと聞くと真っ先に私は夕食を思い浮かべていたのだが、ここ2ヶ月でディネは私の中で昼食になった。


話は戻り、
少しでもみんなと仲良くなりたかった私は、結局毎昼、Daïmônの二人とご飯を食べていたのだけど、一度もAxenéo7とDaïmônの人々が一緒にご飯を食べているのを見たことがない。仲が悪いわけでもないのに何でだろう。と思って、マルティヌに聞いてみた。


私「なんで?」
マルティヌ「さぁ。でも以前、週一で一緒にご飯食べようって決めたんだけどね。そういえば続かなかった」
私「ふーん」



食事を共にするって、人が仲良くなる上でけっこう大事だと思っている私は、みんなで一緒にご飯食べれたらいいのになってふんわり思ってた。
でもここ Axenéo7で働いている若者は、みんな仕事を2〜3個掛け持ちをしているので、とても忙しいのだ。だからパソコンの前で仕事しながら栄養ドリンクを飲んだり、食べなかったり、サササーと5分で食べて仕事に戻ったりしている。そりゃみんなでご飯食べられないわ。でも忙しいんだからしょうがない。でも忙しい割にめっちゃ世間話しているし、冗談もたくさん言い合うし、ご飯を食べる時間がないわけではない。



で、ある日突然
近くにプーチンの屋台が来ていた。
それを見つけた私は(なぜだか分からんが)すごく興奮して(笑)、
みんなに「誰かプーチン食べたい人いないー?食べよーよー!!!ぷーちーーん!!」と朝一で聞きまくってしまった。そしたら結局みんなすごく乗ってきて、あっという間にほぼ全員集合した。ミラクル!展示の設営中だったこともあり、人が多い時期だった。

プーチンパワーすげー


リビングで。もぐもぐ
しかもこのプーチン当たりだった。うまー!
マルティヌが
「やっとみんなでご飯食べれたね。牧子のおかげだわ。ありがとう」

って優しい一言を言ってくれた。
こういう気の利いたことを言ってくれるのが彼女。私は顔が真っ赤になった。(みんなを引き寄せたのはプーチン。プーチンパワーのお陰なのに…)


別にそのためにみんなに声をかけたわけじゃなかったのだが(私はただ単にプーチンを食べたかったのだけど)、結果オーライ。とは思いつつ、実は超が100くらいつくほど嬉しかったのだった。


本当、相変わらず、ウザいアラサーやってます。
たかが昼食くらいでね。
でもすごく楽しかったし、美味しかったー。

カナダ回想・サイクリング

とある週末。
普段運動をしない私ですが、ジョゼがおすすめのサイクリングロードを教えてくれたので、行ってみることにした。
短パンにTシャツで準備万端。

途中見かけた走るママ。すごい!
自転車で走ってる間、ほとんど孤独。
道と緑しか見えない。
洪水のせいで木がたくさん倒れている。


向こうに見えるのはオンタリオ州のオタワ。



行き先は、滞在先のAxenéo7から15㎞西にあるAylmer。一時間くらい自転車をこぎ続ける。
汗だく。しかも携帯を忘れて行ったので、いつ着くかもわからずドキドキの旅。一本道を黙々とこぎ続ける。

だけど……すんごい最高に楽しかった…!!!



 千と千尋?



半分くらいまで来たとき、
洪水の影響で巨大な水たまりができており、道をふさいでいた。
どうしようかな…避けて通るにも、靴はぐちゃぐちゃに濡れるだろうなぁ。どうするーと速度を遅らせて悩んでいたら、タイミングよく向かいからオジさんが現れた。

(あ、あのオジさん、ここどうやって渡るのかな)

と見守っていると、
ためらうことなど全くせず
足をパカッと開き、、、
あまりに潔いので、びっくりしたわ!

そんなら私も、ということで
見習って、足をパッカーと開けて、大きな水たまりクリアー!


途中野球やってた。
また日曜の近所のおっさんばりに、観戦。
今度は片手にビールなし、しかも5分だけ。



洪水の被害にあったであろう木々が、美しすぎた。
目が一瞬で奪われた。
根っこがむき出しになった木、
折れた先が荒々しくとがる木、
言葉を失った。ついつい自転車を止め、林の中へ足を運ぶ。
思わず唾を飲み込む。
写真じゃ分かりずらいのが残念。
それにしても、こんな近くにこんな素敵なスポットが隠れていたなんて。


およそ1時間かけてAlymerに到着。


褒美。
もう美味しすぎて、この日は最高な一日だった。

帰りも同じ道を通ったけど、すごく近く感じた。
朝9時くらいに出て、昼に戻ってきた。
ほんの3時間ほどの外出だったのに、感覚的としては3日くらい違う国へ旅に出ていたような。

運動をしてあれだけの汗をかいたのは
どのくらいぶりだろうか。

 
コルテオ 太陽光発電