2024-11-30

コレクターの家で個人制作、美術館でヨガ

オープニングの翌日、アートテックでパトリックと合流。私の車でカーン郊外へ出発!

先日私の絵を購入してくれたコレクターのお家へ行きました。
そこで私は壁画を描いたのです。個人注文!
待ち合わせ時間は10時半だったのですが、私たちは10時15分くらいに到着。おおきい家だねーーと感激していると、ちょうど10時半にパリから私の絵を届けてくれた運転手さんが到着した。
え?パリから?
車で?は?
3時間くらいかかるよね???

で、パトリックが私の絵を壁に設置してくれて、その後私は早速仕事に取り掛かる。
残念ながら写真は見せられないのだけど、ものすごい広いお家で日光が入るめちゃくちゃ美しい場所でした。絵を描いたのはキッチンの横で、コレクターの方がよく目にする場所。嬉しい。
彼が所有する膨大なアート作品のコレクションを見せてもらい、ビッグネームもいっぱい。すごい。

そして私が絵を終える時間を待たず、彼は運転手さんの車に乗ってシャルル・ド・ゴールへ出発してしまった。仕事の関係でベルリンに行くらしい。聞くと、その翌日にはデュッセルドルフ、そしてチューリッヒ、ロンドン、とヨーロッパ中を飛び回っているそうだ。
家にはお手伝いさんがいて、私が絵を描く姿を写真に収めたり、一緒にお話ししたり。パトリックは世間話をするプロなので、3人で楽しい時間を過ごした。

私は仕事上いわゆる階級社会の上にいる人、と交流する機会に時々恵まれる。今回のコレクターの方は特別印象に残った。とても面白くユーモアもあり、何よりお手伝いさんや周りの人、みんなにとても優しく、とにかくgénéreuxな人であった。


その後カーン市内に戻り、パトリックとランチ。
ビールとバーガーをむしゃむしゃ食べた。
ハリーポッターみたいな面白いお店にきたよ。
ビーガンのお店。めちゃくちゃ美味しくてまた来たいな!
そのあとはパトリックと別れて、私はカーンの美術館へ。
ここ数日とにかく強風。全部倒れてた
なぜ美術館に来たかというと、まず美術鑑賞、そしてヨガをするため!
私が展示をしたアートテックでは、会場内でヨガ教室(1回か2回だけだけど)を提供している。オープニングの時、そのヨガ講師であるヴァレリーと話をしていて「明日美術館でヨガをする」というではないですか。私は冗談半分で「私もしたいなー!」と言ったら「ぜひ!」と、特別参加を許可してくれたのだった。ありがとうヴァレリー!ヨガマットも貸してくれるって!

ヨガ中の写真はないけれど、40分くらいのヨガを終えて体ぽかぽか。中世絵画に囲まれてするヨガは不思議でした。

オープニング

これはアートテックのスタッフのみなさんに私の今までの経歴とか作品の話をしているところ。

もうだいぶ昔の話のようだが、
1週間前Caenのアートテックでオープニングありました!

16時からSAMUEL DI GIANNIが今進行中のレジデンスでの制作のお話を。カーンのアートテックでは美大を卒業して数年の若きアーティスト支援をしていて、長期アーティストレジデンスを提供している。
そして17時からは私の番。
パトリックとイヴァンがいっぱい話してくれるので大丈夫と思っていたし、実際大丈夫だったのだが、私たちの話を聞きにきてくれたみなさんがあまりに真剣で、がっつり1時間。あっという間に過ぎたし、最後まで人が残っていて衝撃だった。本当にありがとう。
あと学生もいれば年配の方もいらして、すごく客層が豊かで驚いた。

パリのギャラリーの人もきてくれたし、
ナントからはわざわざE1がきてくれたし、
鋳造所の社長夫婦もきてくれたし、
先日参加したパリのサロンで私の作品を購入してくれたコレクターが家族全員引き連れてきてくれたし、
なんかすごかった。。。みんな本当に忙しい中来てくれてありがとうございました!

私はひっきりなしに人と話していたので写真が本当に一枚もなく、ご飯にありつけたこのひと時やっと1枚撮った。。笑
今回は特別「日本風味」のお弁当を注文してくれたそうだよ。光の関係でちょっと写真が寂しいかもしれないけど、めちゃくちゃ美味しかった!
このあと写真は載せられないけど、パトリックがギターでいろんな曲を熱唱し始め、全員でボウイとかClaude Françoisとかを大合唱。まさに文化祭の後って感じの雰囲気で、最高に楽しかったー!!!!

みんなにハグをして、バイバイして、その日はE1と一緒に宿に戻る。カーンの人たちがあまりに人間っぽくて熱があって、ずっといろんな話をしていた。なので夜二人でゆっくり話をしていてちょっと落ち着いて、そしてグースカ、寝た!

2024-11-25

デトックス

オープニングパーティ前日の朝
起きると背中の上の方(首下)がめちゃくちゃ痛い。痛すぎて何をするにも気になる。ナンジャコリャーー
寝違いかと思って、色々調べて改善ストレッチを行うも全然治らない。どうしようもないので、急いでDoctolib(医療予約サイト)でオステオパシー施術者の予約を調べる。この日も色々やることがあるので、痛いままだったら全然仕事にならない。

良さそうな先生を見つけて、いざ予約!
50代くらいの、ガッチリして強そうな男性。写真で見て「なんか頼れそう」と思って決めた。
朝8時45分からの予約がちょうど空いている。急げ!それ以外の予約は全部埋まっているので、きっと腕がいいのであろう

雪がまだ残っていてめちゃくちゃ寒い中、たどり着いた。
先生に痛みを訴え、早速施術開始。
「君はラッキーな人だ。雪が残っていたから、カーン郊外に住む患者さんが予約を今朝キャンセルしたんだよ」

雑談しながら腸の動きをチェックされ、数分経った後 先生が一言「あご…」と言った。そしてビニール袋の手袋をはめて私の口の中に手を入れ、奥歯のさらに奥を押し始めた。それが、マジで手加減なし。

いいいいイィいいいいいいいいたいいいいいいいい

痛さで涙が出た。

めちゃくちゃ痛いのに、反対側も押すじゃん!その後施術はいろんなところに続くが、とにかく痛いし耐えられないので「あの…めちゃくちゃ痛いです」と言うも「そうだろうねぇ」と返事が返ってくるだけ。


先生「あなた、夜寝る前とか色々考え込んでいるでしょう。顎から肩にかけてものすごく緊張している。ちょっと抱え込みすぎているね。書くなり話すなりしないといけないよ。全部を溜め込みすぎると絶対にこうして体に出てくるから。感情という感情が溜まりに溜まっている」

(思い当たる節あり)


その後そこら中をボキリと鳴らしたり鳴らさなかったり、だんだん脱力していく私。骨が抜けたみたいに無力感に苛まれる。最後、首下あたり(今回の来訪の原因)をゴキゴキゴキ!!!と鳴らし「ここだったねー」と笑顔で言われ、終了。



まだ痛みは残るものの「これで大丈夫。まだ痛みはあっても明日か明後日には取れると思う」と言われ、さよならしました。
フラフラになりながらやっと展示会場のアートテックに戻ってきた。
テラス
マラソン走った後みたいにぐったり疲れていた私だったが、スタッフの皆さんと温かいコーヒー&ヴィエノワズリーをいただいてホッとする。
午前中はスタッフの皆さんと展示の概要を話し合い、午後はプレスリリースというか取材で、新聞記者さんと話。あとはリゾグラフィー100枚にサインとか、色々仕事があった


アートテック近くにあるアラブ系のお店。調味料とかオリーブとかたっくさん!宝石箱みたいなお店で、店員さんもめちゃくちゃ優しい!


なかなかタフな1日を終え、帰宅。
夜ジョルジュといつも通り話をしていると、色々辛いこととかが自然と口から出てきた。彼に対して不満は一つもなく(遠距離はお互い辛いけどそれは置いといて)、仕事のこととか人間関係のこととかでちょっとつっかえていたことがドバドバと出てきた。
それは朝の施術のおかげなのかジョルジュの優しさがそうさせたのかは分からないが、とても不思議な感覚だった。ジョルジュは私の話を聞いて
「牧子は本当にすごいよ、異国の地でこんなにも制作を盛んにこなして、自立して、あんな遠くから一人で車を運転してきて、、」と一つ一つ私の行いを丁寧に褒めてくれた。それを聞いて嬉しくって嬉しくって泣いてしまった。ありがとうジョルジュ。。。(いきなり泣き始めて驚いたとは思うが)
あらためて彼は素晴らしい人だなと思った。

心も体もデトックスが出来た、とても不思議な1日だった。

設営中 雪

設営中の写真。
パトリック。
夕方、アートテックから出て向かいにある L'Abbaye-aux-Hommes。
夕方に撮った写真
翌朝起きたら雪が降ってた!
同じ構図で撮ったもの
雪だー雪だー
雪が降るとどこもかしこも混雑してパニックになっていると思った。ところが車で恐る恐る中心地に向かっていくと、あれ?全然ひとけが、車が、ない!

金沢に住んでいたときは雪が降ると渋滞になったりいろんなところで車が溝にハマっていたりしたけど、フランス人はみんな雪が降ると家を出ないんだね。合理的っちゃ合理的だ

展示会場の奥に描いた絵

ボタン雪は1日中降り続けたけど、夕方にはやんで少しずつ解け始めた。とにかく寒かった!
いつもなら予約でいっぱいのアジア系レストランも、この日は電話しないで直接行った。パトリックは「雪だから絶対に人が少なくて空いているはず」
確かに!
温かいラーメンが体に沁みたー

夕方、仕事終わりにみんなでボジョレー飲みに行った。
(ボジョレーを楽しむのは日本人だけかと思ったけど)


2024-11-22

鋳造所へ遊びに

設営、順調に進みました! 

少し余裕ができたので、コルニル・ハバール鋳造所まで遊びに行ってきた。カーンから1時間ポッキリ。夜道の運転は少し怖かったが、なんとかクリア!社長と社長奥さんのお家に一泊させてもらう。久々にここまで遊びに来たので、溜まった話があるのよ。。。

そして翌朝 工房が開く8時に、スタッフの皆さんに挨拶しに行ってきた。
こういう工房やアトリエの匂い、本当にたまらん。
なぜか高校生の時通っていた画塾を思い出す。石油ストーブの匂いか、なんなんだろう。
寒すぎて、車がガッチガチに凍っていた。
なんとかまた1時間走ってカーンに戻ってきた。
ここが作品貸し出しの場所。来場者は勝手に作品を探して見て回ることができる。

設営は完成した!


2024-11-20

美大、MANOEUVRE訪問

 月曜日、カーンの美術学校を訪問しました。
まだ確定ではないのですが、おそらくここに版画をしに戻ってくる可能性が高いです。版画工房の責任者でもあるジュリアンから連絡をもらって、会いに行ってきたよー
すっかり話に夢中になってアトリエの写真を撮るのを忘れてしまったのだが、広くて自然光がふんだんに入る素敵な場所でした。
いろんなアトリエが完備されていて、こちらは例えばシルクスクリーン工房。
全部で15人ほどの工房・それぞれに技術者がいるとのことで、ここで美大生だったらたっくさんの質の高い作品が作れるだろうなぁと思った。羨ましい
これは入り口のホール。

その後はMANOEUVREと言う、共同アトリエ?を訪問した。
めっっちゃクチャ広いスペース!
所属アーティストはみんな他分野で活躍している。
彼らは自分たちの制作に加え、他のアーティストの制作などに携わっている。例えば今回アートテックの私の展示の、設営の手伝いに来てくれている。

真ん中で手を振ってくれているのがマニュ。
いろんな出会いがある。
しかし寒いよカーン!どんより曇り空も助けて、本当に暗いんだけど、その分人がめちゃくちゃ優しくてびっくりする。

2024-11-18

IMEC

今泊まっているところ。IMEC。
今週はずっと天気が悪いので、私の滞在中、おそらくこれが「澄んだ空気」を撮れる最後の瞬間だったかも。
この木の枝部分は全て、翌日に切り取られてしまった。
こんな面白い木もある。
土日は入館禁止だけど、普段は研究者の皆様が仕事をしておられる場所。
夕日

2024-11-17

Bayeuxなど

日曜日、カーンから車で20分くらいのところにあるBayeuxに行きました。
ここで有名なのがバイユーのタペストリー
バイユーのタペストリー(仏: Tapisserie de Bayeux)は、1066年のノルマンディー公ギヨーム2世(後のウィリアム征服王)によるイングランド征服(ノルマン・コンクエスト)の物語を、亜麻で作った薄布(リネン)に刺繍によって描いた刺繍画である。

タペストリーはもちろん撮影禁止なので、インターネットで一度ご覧くださいませ。
このタペストリー、カーンに来てからみんなに「絶対見に行ったほうがいいよ」と言われていた。あまりに言われるのでインターネットで調べたら、私がフランスに来た当初どこかの蚤の市で見つけて大事にとっておいたポストカードの絵だった。今も自宅にちゃんと保管してある、あれだ!一気に親近感が湧いて、休みの日に観に行こうと思った。

2階にはフィギュアとか、タペストリー制作当時の時代背景など、映画もある。
素晴らしい作品を楽しんだあとは、街を歩いた。
Musée d'art d'histoire Baron Gérard
その後は港の方へ足を伸ばした。
今住んでいるトゥーロンとは正反対の場所。
そのまま帰ってもよかったんだけど、もう少し海を見たいなと思って、Arromanches-les-Bainsまで行った。
コーヒー休憩

全然知らなかったのマンディーを学ぶ。
戦争のはなしはかなり堪えるけど、歴史は歴史。

 
コルテオ 太陽光発電