2017-12-20

FRACで講師。

フランスには、各地方に現代アート機関FRAC(Fonds Régional d'Art Contemporain)フラック という現代美術専門の研究と収集を行う機関があります。Frac des Pays de la Loireはナント市内から20kmほど離れたところにあるCarquefou(カルクフー)に位置します。
豊かな自然を存分に楽しめる立地(車道を少し離れればジャングルのようなところ笑)が特徴的っていう話をよくするんですが、車がないとやっぱり遠い。だけど自然がいっぱいで素敵っていうのは本当。


そこで私は夏に個展をすることが決まりました。(小さいほうの部屋だけど。自分でも未だに信じられない!)

で、今回はその縁もあって研修の講師(のようなもの)をしてくれないか、と仕事の依頼を受けたのです。


ご覧のように、周りは何もない
奥に見えるのがフラック。


フランスでは、幼・小学校の教員試験を通った人たちはその後2年の研修機関が義務付けられているそうです。その人たちを対象に、今回の「日常としての現代美術」研修が提案されました。
1日目はフラックの展示見学、現代美術作品群の倉庫見学、médiation(「仲介」の意味ですが、具体的に展示解説・説明のことです)について議論、参考文献や作品を学ぶ。
二日目はわたしが実際に赴いて、私がどんな作品をどのように・何を考えながら何を作っているのかなどの話。生徒と現代美術との関わり方や、生徒たちと具体的にどんなことを提供できるか。子供の視点にたって、私なりの提案をしました。

募集人数は10人まで。この企画3年目らしいのですが、参加人数が足りなくて廃止になることもあるとかないとか。でも今回無事10人の希望がとれて、晴れて実行されました。



フラックには普段展示を見ること以外来ることはありません。
思えばナント美術学校M1(院1)にいた時スタージュ(研修)が義務で、フラックが企画していた展示の médiationをするスタージュしたんでした。その時私もフランス語が全く理解出来ないながらも、メモをとったりして倉庫を歩いたなぁ。そのときグループを引率してくれた女性がいたのですが、とても面白い人だったのでよく覚えていました。
今回の仕事は正にそのルーシーが担当者で、この前行った子供向けのアトリエもそうなんですが彼女だったんです。
数年前学生の一人として会っていて、今は一人のアーティストとして彼女と打ち合わせ・企画をしているなんて、当たり前のようですごく不思議な感じです。






普段フランス語でやりとりしている内容をわざわざ日本語に書き起こすって、けっこう大変…こういう企画って日本ではあまりないような気がするけど、どうだろう?

続く。

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