2017-12-22

Fracで講師 続き

当日は一人病欠で結局9人の参加。
年齢さまざま、全員女性。
和気藹々したムードで始まりました!

9時半スタートだったのですが、ルーシーに「9時半過ぎに着いても大丈夫だから!」と言われてました。
私は「?」という感じでしたが、やはり始まる前にワタワタするの嫌だし、朝の渋滞に捕まるのが怖かった私は早めに出発。9時すぎに到着。
建物内に入ると一人参加者がいるだけでガランとしている。荷物を運び込んで一息。トイレにいったりウロウロしていると、フラックで働いている人が数名出勤。でもルーシーは居ない笑

どうしようかなーと思っていると9時半になり、参加者は9人のうち3人が到着。ルーシーもその頃出勤(笑)


あ、、、、、
そうだ、、、この、
こういうルーズな感じ。
あ、思い出した!ここフランスだった(*o*) 
8年経ってもあいかわらず驚かされる、この感じ…!!!!


フラックって、フランスでは現代アート界でかなり権威のある組織なんです。その認識が私の中であまりに強すぎたせいか、まさかフラックまでも時間にルーズなはずが無いと勝手に思っていて。いい加減私も学ばないといけませんね。笑


でもこのルーズな感じって、実は結果的に全然マイナスにはならない。日本人が是非学ぶべきところだと思うんですが、
まず変なストレスを感じなくて済む。少し遅刻したって、別にいいじゃんっていう。世界が終わるわけでもなし。
朝早く着いた人たちは受付で無料に提供されるコーヒーを飲んでだべる。この日も数名の参加者とコーヒー片手に話し始めた私はとてもリラックスできて、彼女たちが今どんな状況なのか、どんなクラスを受け持っていてどんな研修をしているのか、とても気楽に話が聞けました。もちろん敬語など使わずに。

※ただこのルーズな感じは、もちろん場によります。
仕事場によっては厳しいところも。私の働いているファーマシーでは、各々バッヂを持っていて出勤したら機械にピッとやるんですが、3分まで遅れても大丈夫(笑)でも4分以降はだめです!



結局始まったのは10時過ぎ。
まず私のプレゼンテーションから。作品を見せて、私がどんな経緯で美術大学に入ったか。その後どうしてフランスにやってきたか。その後どのような活動をしているのか。

自分の話をするのは構わないけど、本当にみなさんこんな話聞いて面白いんだろうかと思いながら一通り話す。

で、その後「絵を描くため」以外を目的とした絵の具の使いかた、について話しました。かっこよく言えばマチエール研究だけども、簡単にいえば絵の具がどんな効果をもたらすのか、みんなで実験したのでした。

インクのしずくを濡れた水に落とし込むと
色がじわじわと紙をつたっていくのが見えるんですが
そういう当たり前のようなことって実はみなさん知ってるようで知らなかったらしい。
私がテーブルの上に乗って高いところから墨汁を濡れた紙に落とし込んだあと、紙の細かい繊維を墨汁が這っていくのをじぃっっっっっと見入ってました。笑
絵が上手い・下手という話は簡単にできるかもしれないけども、そのくだらない議論のせいで美術に苦手意識などを持つこどもが多いように思います。

学生生活を終えてアーティストとして活動をし始めると、大抵の若手アーティストはすぐにコネクションやコンペやレジデンス公募に精を出します。ギャラリストや市の助成金を担う文化担当者とアポイントをとって作品のプレゼンをする。自分を売り込む。そういったことは本当に大事だしガツガツやったらいいんだろうけど、私は個人的に向いてません。
でも根本に戻って考えたら、美術って自分のキャリアのためにやることなのか?っていう疑問がふつふつ湧いてきたのでした。
先日アーティストの友人たちと一緒に食事しました。皆んなどこそこのギャラリーが今あまり売れてないとか、あそこのギャラリストはいい人たちだとか、そういった話ばっかり。情報収集は重要かもしれないけど、じゃあ最近あなたたちはどんな面白い作品作ったんだよって、聞きたい。最近何かに感動したか、どこかで面白い作品に出会ったかって。

私が制作を続けているのは、やっぱり美術をすることが単純に面白いことだと思うし、なぜか使命みたいなものを勝手に感じているからです。笑
あとは絵の具の混ざる感じや水彩絵の具が滲んでいく様を見るとき、あまりに美しい様にびっくりするときがあって、そういったかけがえのない喜びがあるから。

そういうちょっとした感動を持つことって大事だと思うから、今回絵の具を使っていろんな現象をみなさんに見てもらうことは大切だと思いました。




これはラブレター制作中。笑
写真じゃよくわからないんだけど、墨汁がピンクの絵の具の上で不思議な滲みを開催していてとても美しかった。

こんな単純な提案に一つ一つ歓喜してくれた参加者のみなさんに感謝。絵の具で絵を描くなんて中学校以来という人も、絵の具の起こす自然現象にうっとり見とれている姿を見て、私も嬉しかった。みんな手を絵の具に染めて、楽しそうだった。

そのあとはいろんなタイプのジンや本を見せて、大型書店では絶対に手に入らない本をいっぱい紹介しました。この話も今度ゆっくりブログに書きます!


実は緊張しすぎてここ1週間ろくに寝れてなかった私ですが、無事1日が終了してめっちゃ安堵しました。帰りの車では大音量で好きな音楽をかけて、安全運転で帰りましたとさ。


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