友人Aくんのお見舞いに、とある病院に行っていました。
若いのに、極度のアルコール中毒で
彼は何度か病院に一定期間入院していたのだが、
先日なんと自殺未遂をした。
家庭環境が複雑な上、親戚との連絡も絶っている。
この夏で学生は卒業したので仕事を探していたがなかなか見つからなかったそうだ。アルコールも止められず、そのせいでもっと仕事が見つかりにくくなる。失業手当をもらえる年齢に達してないので、手当ももらえない。
ここには書かないけど他にも多くのの苦しみが彼を襲い、ある日彼は自宅で両手首を深く切った。
死ねると思ったが、気を失ったのか眠りについたのか、
翌朝血だらけの中 目が覚めた。外になんとか出ると真っ赤に染まった彼を通行人が見つけて救急車を呼び病院まで運ばれたそうだ。
ドクターに言わせると手首の傷はとても深かったそうだ。
そんなことも知らず私たちは、それなりに慌ただしい日々を過ごしていた。
彼はそんなある日 相方に電話を一本よこした。
「いつもの病院に居る、煙草が吸いたいんだけど買ってきてくれないかな。」と相方に頼んだAくん。いつもの、アルコールを経つための入院かと思ったが、相方は翌日見舞い品を持って行った。すると自殺未遂をしたんだ、とAくんは話を切り始めたらしい。
2度目のお見舞いに、私もついていくことにした。
以前一度行ったことがあるから場所も知ってるし、何を話せばいいかなんて分からないけど、けどAくんの声が聞きたいと思った。折り紙も折ってあげようと、持って行った。
彼の居る病棟に着くと独特な雰囲気が漂っていて少しめげそうになった。緊張もした。けど看護婦さんに通された個室でAくんに会うと とてもホッとした。
でも、次の瞬間彼の顔を見てショックを受けた。
どう表現していいのか分からない。
こんな顔をしている人に会ったことが今まで無かったから。
彼はそこにボンヤリ立っていた。
悲しいとか辛いとか放心しているとかそういう単語じゃ収まらない顔というべきか。
普段からそんなに笑うことも無い彼なので、知らない人に言わせればただの無表情だったかもしれないけれど・・・。
その後外出許可が下りた彼と一緒に、相方とPちゃんと私4人で外を歩いた。その日は珍しく天気が良く肌寒かったけど 彼は3週間ぶりの外出で嬉しい、と言った。
川の流れを見ながら、
車の行き交う風景を見ながら、
過ぎ去るトラムを見ながら、
実際私はAくんが今にも川に飛び込まないか、車に轢かれないか、線路に飛び込まないかとずっとドキドキしていた。そのドキドキがばれないように、しょうもない冗談なんかを言ったりしていた。気の利いたことを言ってやれない自分に幻滅した、でもどうしようもなかった。
地震とか、飢餓とか、様々な問題のため救うべき人たちが世界中無数に居るのはもちろん分かっている。でも私はここ数日Aくんのことばかり考えている。
ここには地震も無いし戦争もないし食物だって溢れているが、彼はこれだけ苦しんでいる。アルコール中毒というのも、ただ単純にお酒を絶てばいいじゃないかと思うがそんな簡単な話ではないのだ。フランスに来てからアル中に関しての問題をよく耳にするのも確かだ。
リストカットをした友達にも数人に会ったことがある。美しい国フランスとはいえども苦しんでいる人は当たり前にいるのだ。
フランスに住んで3年が経つが、日々言葉に慣れていく中
友達が増え、彼らとより親しくなっていくと 表面には浮き出ていない重い問題というのをヒシヒシと感じるようになるものだ。
この話に結論なんて無いけど、
彼のコトをここに書きたいと思った今日でした。
若いのに、極度のアルコール中毒で
彼は何度か病院に一定期間入院していたのだが、
先日なんと自殺未遂をした。
家庭環境が複雑な上、親戚との連絡も絶っている。
この夏で学生は卒業したので仕事を探していたがなかなか見つからなかったそうだ。アルコールも止められず、そのせいでもっと仕事が見つかりにくくなる。失業手当をもらえる年齢に達してないので、手当ももらえない。
ここには書かないけど他にも多くのの苦しみが彼を襲い、ある日彼は自宅で両手首を深く切った。
死ねると思ったが、気を失ったのか眠りについたのか、
翌朝血だらけの中 目が覚めた。外になんとか出ると真っ赤に染まった彼を通行人が見つけて救急車を呼び病院まで運ばれたそうだ。
ドクターに言わせると手首の傷はとても深かったそうだ。
そんなことも知らず私たちは、それなりに慌ただしい日々を過ごしていた。
彼はそんなある日 相方に電話を一本よこした。
「いつもの病院に居る、煙草が吸いたいんだけど買ってきてくれないかな。」と相方に頼んだAくん。いつもの、アルコールを経つための入院かと思ったが、相方は翌日見舞い品を持って行った。すると自殺未遂をしたんだ、とAくんは話を切り始めたらしい。
2度目のお見舞いに、私もついていくことにした。
以前一度行ったことがあるから場所も知ってるし、何を話せばいいかなんて分からないけど、けどAくんの声が聞きたいと思った。折り紙も折ってあげようと、持って行った。
彼の居る病棟に着くと独特な雰囲気が漂っていて少しめげそうになった。緊張もした。けど看護婦さんに通された個室でAくんに会うと とてもホッとした。
でも、次の瞬間彼の顔を見てショックを受けた。
どう表現していいのか分からない。
こんな顔をしている人に会ったことが今まで無かったから。
彼はそこにボンヤリ立っていた。
悲しいとか辛いとか放心しているとかそういう単語じゃ収まらない顔というべきか。
普段からそんなに笑うことも無い彼なので、知らない人に言わせればただの無表情だったかもしれないけれど・・・。
その後外出許可が下りた彼と一緒に、相方とPちゃんと私4人で外を歩いた。その日は珍しく天気が良く肌寒かったけど 彼は3週間ぶりの外出で嬉しい、と言った。
川の流れを見ながら、
車の行き交う風景を見ながら、
過ぎ去るトラムを見ながら、
実際私はAくんが今にも川に飛び込まないか、車に轢かれないか、線路に飛び込まないかとずっとドキドキしていた。そのドキドキがばれないように、しょうもない冗談なんかを言ったりしていた。気の利いたことを言ってやれない自分に幻滅した、でもどうしようもなかった。
地震とか、飢餓とか、様々な問題のため救うべき人たちが世界中無数に居るのはもちろん分かっている。でも私はここ数日Aくんのことばかり考えている。
ここには地震も無いし戦争もないし食物だって溢れているが、彼はこれだけ苦しんでいる。アルコール中毒というのも、ただ単純にお酒を絶てばいいじゃないかと思うがそんな簡単な話ではないのだ。フランスに来てからアル中に関しての問題をよく耳にするのも確かだ。
リストカットをした友達にも数人に会ったことがある。美しい国フランスとはいえども苦しんでいる人は当たり前にいるのだ。
フランスに住んで3年が経つが、日々言葉に慣れていく中
友達が増え、彼らとより親しくなっていくと 表面には浮き出ていない重い問題というのをヒシヒシと感じるようになるものだ。
この話に結論なんて無いけど、
彼のコトをここに書きたいと思った今日でした。
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