島に滞在するスタッフらの多くは(数人をのぞいて)普段はヘルシンキや他の都市に住んでおり、ファミリーがバカンスで来る夏だけここに滞在する。場所の管理、食事の用意や雑用、掃除、洗濯、ベッドメーキング、イベントの管理、などなどたっくさんの任務をこなすためだけにやってくるのだ。敷地は広いし島あちこちにファミリーが所有する家がある。ファミリーの招待客や友人などたくさんの人がやってくるのでスタッフの数も多いのだ。昔はマドンナや大統領も来たことがあるらしい。
ファミリー到着前の準備時間をわたしはみんなと過ごしている。
ここでは昼食と夕食を一緒に食べる(料理人がいる)。
一昨日、その準備中にボスであるマリオ(女性)から「どう牧子、制作はうまくいっている?」と聞かれた。
ファミリーが所有する現代アートのコレクション管理とはまた違う分野で働いている人たちなので、わたしのアート作品など全然興味がないと思っていた。なので
「うん、今こういう作品を作ってて。っていうか興味ある?」と
冗談まじりに聞いたならば、わたしの顔を真正面に見て
「当たり前よ!興味あるよー!みんな(若い子達)も牧子はどんな作品を作っているんだろうね、って興味津々だよ!」と。
それを横で聞いていた別のスタッフの子たちが
「もちろん!」と。
わたしはその回答にかなり驚いて、
「え、じゃあ、スタジオ来る?」と提案した。
スタッフのみんなは
「やったー!今から行こう!」と返事をくれたりもして。そこでボスであるマリオは
「では明日、ランチが終わってからみんなで見にいこう」
と決めてくれたのだった。
それで、みんな、来てくれた!
(狭いのでつめつめ!本当はセラミックの大きなアトリエに行けば良かったんだけど、そこは車で15分もするし、この小さいスペースで)
作品を時間をかけてみてくれて、本当に本当に嬉しかった。実はなんとなく嫌われているのでは、と思い込んでいたので、まさかその逆でめちゃくちゃ仕事に興味を持ってもらえていたなんて、、、それを知るだけでも感激したのだけど、まさかこんなにも喜んでもらえるなんて、嬉しすぎて天にも舞う勢いでした。
マリオにわたしの作品集の本をプレゼントした。
そこに「この島での滞在を一生忘れることはないでしょう」と書いた。
それを読んだマリオがびっくりして
「偶然だけど、今朝ちょうど牧子のことをみんなで話していたの。牧子のことは今後忘れないだろうね、って。わたしたちと一緒に過ごして、手伝いもしてくれて、一緒に笑って、他のアーティストなんて、食事だって別、顔を見ないことだってあるくらい。全く交流がないのが普通なのに。」
もーそれ聞いて一気に泣きそうになっちゃって。
マリオもちょっと泣いてて。
まだわたしのレジデンス終わってないのに!!!なに二人でうるうるしてんねん!と悲しいやら面白いやら恥ずかしいやら、とにかく二人でハグをしたのだった。
思うように英語も話せなくてなんか打ち解けられてないなーと投げやりになっていたのに、まさかの言葉をかけられて衝撃だった。
話がズレるかもしれないけど
ここで会うフィンランド人はみんな
お世辞を言ったり、
〜のふりをしたり、
無理をしたり、
無理をしたり、
絶対しない。
フィンランド語は敬語がほとんど存在しない言語らしく(プリーズってフィンランド語でなんていうの?と聞いたら「そんな言葉は無い」と言われた笑)、そっけない感じがするかもしれないけど、ご飯を食べ終わった後は絶対みんな料理人のスタッフに「KIITOS(ありがとう)!」と大きな声で言う。敬語を使わないから無礼で品がないわけではなく、友人同士や近しい人とはお互いちゃんと真っ向から存在を尊敬しあっているように思う。(嫌いな人とは絶対無理に話さないしね)
フィンランド語は敬語がほとんど存在しない言語らしく(プリーズってフィンランド語でなんていうの?と聞いたら「そんな言葉は無い」と言われた笑)、そっけない感じがするかもしれないけど、ご飯を食べ終わった後は絶対みんな料理人のスタッフに「KIITOS(ありがとう)!」と大きな声で言う。敬語を使わないから無礼で品がないわけではなく、友人同士や近しい人とはお互いちゃんと真っ向から存在を尊敬しあっているように思う。(嫌いな人とは絶対無理に話さないしね)
全然ネチネチしてない。サラッサラ。
ここの少数のフィンランド人だけかもしれないけどね。わたしも数週間しかいないし言語を全然理解できてないから空想のことかもしれんけど。でも彼らと話したり、彼らのことを見ているとそう思えます。
とりあえずこの日からだいぶ気が楽になって、元々割と居心地が良かったんだけどさらに居心地が良くなりました。
てか現地の人と交流を持たないアーティストインレジデンスって、一体何の意味があるんだろ。むしろみんなとの交流のために来ているといっても過言では無いくらいだ。
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