最近急に冷え込んで、一気に冬が来てしまった(ような気がする)。今朝の最低気温は7度であった。
9月にはいってから新しい友人と仲良くしている。彼の影響で多様な分野の人と知り合う機会に恵まれている。アート界にどっぷり浸かっていた私にはかなり新しい展開である。見慣れたナントの市街地も、彼らと一緒に歩くと全然違って見えるからとても不思議。
彼の電話が終わったあとも、あまりに居心地が良かったので10分くらいそのまま椅子に座って話をしていたら、横を通った人に「あんたらめっちゃ居心地良さそうやな」と言われてお互い笑った。
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初めて知り合う人々が私の職業がアーティストだと知るとかなりの確率で
「アートだけで生活が成り立っているのか?」
と聞いてくる。しかも初対面で。
私は答える。
「昨年まで私はアートと全然関係のない仕事をしていた。仕事を辞めてから今の所は大丈夫だけど、いつどうなるか分からない。しかし今の時代『安定した仕事』なんて本当にあるのだろうか」
みんなコロナの影響で世界が一気に変化した様を見ただろう。あなたの職業が一生安定しているなんて、誰が言い切れるのだろうか。
アーティストという仕事に関して
経済的なことを聞いていくる人に聞きたい。
もし、
私が全然アートで稼げてなかったら、じゃあ何かしてくれるの?何か手伝ってくれる?絵でも買ってくれるのだろうか?そして私の経済状態を知って、一体あなたの何になるのだろうか。苦労話でも聞きたい?
きっと彼らは特に深く考えずに私に質問しているのだろう。
でもその勝手な興味本位の質問のせいで、私はあなたをかなり退屈な人だと思ってしまうだろう。私が実績のあるアーティストかどうか知りたいんだったら、お金なんかで判断しないで私の作品をみて自分なりに勝手に判断すればいいではないかと思う。
これだけ私がイライラするのは、どれだけ世の中のアーティストが苦労をしているのかよく知っているからである。
そもそも思う。
私の経済状態を聞く代わりに、なぜ彼らは私の作品について質問しない?どんな絵を描いているのか、どんな文化やアートが好きなのかとか。と思うよまったく。
人は学歴は聞くけど研究内容は聞かないって話と似ている。
私はあまり物欲がないし、一般のサラリーマンに比べたら稼ぎは全然たいしたことない。
けど、たくさんのお金を持たなくても十分に毎日楽しく暮らす術を学んだ。それもこれも全部フランスで出会った大好きな友人たちが教えてくれたことだ。私は彼らを誇りに思うし、とても感謝している。
そもそもアーティストとして全く不安なく生活している人なんて実際世の中にいるのだろうか。先日アーティスト仲間と話をしていて、彼は超がつく某有名フランス人アーティストと話す機会があったらしい。彼曰く、そのアーティストでさえも来年はどうなるか分からない、と言っていたそうで、すごく驚いたらしい。
人は他人のことが気になるし、お金の話なんてもっと気になるだろう。けどそればっかりに目が眩んでしまっては、人は本当につまらない。
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