2022-07-15

絵の個人注文

ブルターニュでの仕事が終わってすぐ、また南仏に飛んだ。
朝4時半起きも慣れたもんだ。
個人宅の居間に絵を描かせてもらう仕事です!

空港に着くと依頼主のムッシューが迎えに来てくれており、前総理大臣暗殺の話などをしながら家に向かった。
到着してすぐ絵にとりかかろうと思っていたら、家で私を待ちわびていたマダムに「牧子、絵は明日から取り掛かればいいんじゃない?せっかくだから、早速海に行きましょう!」と言われ、家に到着して20分足らずで海に向かった私たち。こんなに早く水着に着替えることになろうとは。
海に「向かった」と言っても、海とお家の間には道路も何もなくただビーチがあるのみ。だから徒歩0歩で海にいける。
海を楽しんだあとは家についている巨大プールで泳ぎ、日光浴をして昼前にやっと絵にとりかかった。
 
ちなみに初日から昼寝を2時間するという偉業を成し遂げ、依頼主を驚かせた私です(笑)。どんだけリラックスしてんだ…笑


自分の両親よりも年配の2人。知ってはいたけど彼らと私の社会階級があまりに違いすぎて、彼らの生活を目の当たりにして もう目が点になるしかなかった。こんな優雅な暮らしをしている人が世の中にいるなんて、本当にびっくりしたものだ。アーティストなんていう仕事をしていなかったら一生出会うことがない人々。最初どんな話をすればいいのかと不安だったけど、そんな不安もどこへやら。すぐに打ち解けて本当に色んな話をした。経済の話、アートの話、彼らが旅した世界中の話。大きな会社を動かして来た2人だからこそ、私なんかとも話をあわせられるのだね。
私は一体なんでここにおるんや、と何度思ったか分からないけど こんな私を寛大に受け入れて、さらに本当の家族のように扱っていただいた。
また新しい家族が出来た。
この出会いは本当に印象的だ。
 
絵も、彼らの要望を聞きまくって一緒にすすめたんだけど、マダムはしきりに「今日はもういいんじゃない?」「ゆっくり進めましょう」と言うので、本来なら1日半くらいで終わるような仕事をなんと6日もかけて仕上げた。ほぼ毎朝一緒に海へ行き、たわいのない話をして自然を堪能し、ちょっと仕事をしてお昼ご飯。ぐっすり昼寝をしてちょっと仕事をして、暑くなったらプールに入って。夕食後はたたみ1畳くらいあるんじゃないかっていう巨大テレビを、3人で寝っ転がって見ていた。
 


続く

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