2020-06-29

作品の価値

昨日日帰りでナントに行ってきました。
1月にアトリエで水漏れが起こったのですが、6ヶ月経ってやっと、保険会社の専門家とのアポイントメントがあったのです。

1月、水漏れが起こってからすぐ保険会社に連絡。
2月、水漏れが発生した家の人と協議報告を製作して、被害総額(+それらを購入時の領収書など)とか写真をまとめて保険会社に提出。

保険会社から4月くらいに電話がかかってくる
「専門家(保険会社の人)が現場を見に行くので、アポイントをとりましょう」と。
で、やっとこの日がやってきたのでありました。


ここまで来るのに6ヶ月が経っておる・・・
日本はどのくらい時間がかかるのだろうか。



Evorの庭見てきたよー)


約束の時間に10分くらい遅れて専門家の人がやってきた。
私は知らなかったのだが、その人と私、労働組合の人、そしてアトリエを管理しているアソシエーションの人 全部で4人も集まった。
集まった瞬間マスクをいそいそ着け始めるみんな。


6ヶ月経ってもまだ何も解決してないので、全部そのままになっている。水漏れによって壁に取り付けられていた棚が落ちたので、そこには穴が空き、ペンキが剥がれひどい状態。そして水に濡れてダメになった大きいサイズの水彩画たち、額、本を見せる。

芸術作品の保険は正直かなり複雑で、この時も保険会社の人はかなり困っていた。自分でアーティストを名乗り作品を作っていても、実際にそれなりの値段がついて売れていないと、保険がおりないそう。私はというと、いちおうこれまで 被害にあったサイズの水彩画を売ったことがあったし、ギャラリーでも発表している。

被害総額を請求する書類を作るときに、保険会社の人から「芸術作品は『作品の値段』ではなく、それをつくるのにかかった『制作費』を記入してください」と言われたので、紙と水彩絵の具の値段を記入した。

すると今回、アソシエーションの人(私のことをよく知る人)が

「あのね、作品つくるのって体力も知力も時間も必要なんですよ。ただ紙の値段を返せばいいって話じゃない。しかも牧子は精力的に活動しているアーティストで、一昨年ナント市賞もとったんですよ。いろんなところで発表もしているし。そこをもっと考慮して頂きたい」

と言ってくれた。
なごやかだったムードが一気にピリっとなる。


保険会社の人はそれを聞いてこう言った。
「そうですか。受賞などはもちろんメモしておきますが、保険会社としてはそれよりも、今まで作品の売買がされてアーティストのCote(相場?)が本当に証明されているかというのが重要になりますので。。」


結局、私は今まで売った作品の領収書や作品の写真を保険会社に提出することになった。芸術作品に詳しい専門家がより詳しく調査するらしい。


(街中で見つけたよくわからないけど綺麗なもの)

私をかばってくれたアソシエーションの人は、実は彼もアーティストだ(った)。だからこそそういった一言が言えるし、アーティストの権利を守ろうとする強気な態度を崩さない。彼の態度から学ぶことたくさんある、ありがとう。



この水漏れ事件、いつ解決するのかわからない。
でも少しでもお金が帰ってくるとありがたいなー

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