2024-02-03

石版画2

色々あってバタバタしており、更新遅れてますー
 
ナントでお世話になった美術館兼版画工房は、朝8時半から作業が出来る。ネットには10時って書いてあるから10時に行ってたのに、スタッフの人に「8時半から開いているよ」と言われてびっくり。翌朝さっそくやる気満々で8時半ぴったりに行ったら、コーヒーとヴィエノワズリ(つまりは菓子パン)を皆んなで談笑しながら。結局スタートは9時。笑
 貴重な時間がー!とも思うけど、こういう触れ合いの時間こそが大事なんです。
全部で30版を、2種類。
水彩画は全部に施したから、簡単なものだけど全部で60枚描いたことになる。
水彩画が版画とどんな風にマッチするのか、毎回印刷のたびに楽しみでワクワクした。ここで30年以上も石版画専門の技術者として働いているフィリップが
「長年この仕事をしているけど、こんなにdélicieuxなことはない」と言ってくれた。 
ちなみにdélicieux(デリシュー)とは、英語でいうデリシャスの意味。
それを聞いて死ぬほど嬉しかったし、嬉しすぎて恥ずかしくて、なぜか赤くなってしまって、何も言えなかったわい
 
フィリップは本来ならもう定年退職をしているはずのお歳だ。でも「なかなか辞められないんだよ、それが」と言っていた。工房の人員の関係もあるが、おそらく仕事がもう彼の生き方そのものなのだろうね。
 
こんなに仕事が出来てかっこよくてスマートでしかも面白い人はなかなかいない。もし同世代に生きていたら、絶対間違いなく私は彼に恋をしていただろう。
 
彼と仕事をする上で何より感動したのは、作り手へのリスペクトを強く持ってくれていることだった。強い意志は持ちつつも、とても柔軟な頭で作り手をサポートする。私が言うことをちゃんと最後まで聞いてくれる、そして一緒に考えてくれる。頭越しに否定なんて絶対にしない人だ。そして恐らく版画が純粋に大好きなんだと思う。誇りを持って仕事に向き合っている。(そしてユーモアもある、これ大事!)
 
こういう人はおそらく世界中何処かいるとは思うけど、たくさんは居ない。またどこかで同じような素敵な人たちと仕事をしたいな。。。そのためには自分のレベルをもっともっと上げなければ。
フィリップと仕事が出来ただけで私は幸せ者なのかもしれない。ありがとうこの出会いよ!



最終日は、わたしにこの版画制作をプレゼントしてくれた、サーブルドローヌの美術館の友の会の方々が様子を見にきてくれた。友の会といっても日本とは違って、それなりに責任や権限がある。美術館に資金援助したり若手の作品買取をしたりする。
ランチをご馳走になった。
 
今回の版画制作で思ったけど、やっぱり私は工房での作業が好き。工房の雰囲気が好きなのかも。高校の時通って居た画塾の雰囲気も大好きだったし、鋳造所で鐘の装飾を作った時も、この間パリの銅版画をしたときも、今回も、工房で作業するのが向いているのかもしれない。いろんな人が行き来して、各々が真剣に何かを作っている雰囲気。
時々どうでもいい話を、みんなが手を動かしながらするのも好き。
終わってしまって本当に悲しい。
無事作業が終わり、フランスの兄と一緒にガレット食べた。
短い版画制作滞在中だったけど、オペラの打ち合わせやそのほか2つインタービューを録画・録音したりして忙しかった。でも全部無事終わってホッとしましたーよかった
 
 
そして電車に乗ってまたトゥーロン帰ってきました。乗り換え合わせて8時間の旅。遠い

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