2023-10-03

忘れないフライト

ローマ旅の途中ですが。。
ローマからフランスのニースに戻り、かなり忙しい数日を過ごしました。ニースに着いてその日のうちにトゥーロンへ電車で向かい、アトリエの片付け(この間設置した棚がすべて崩壊していたのでその修理や片付け、諸々)や土曜日には1日中一般の方向けワークショップ。しかもその日は満月だったからか全く眠れず、睡眠3時間。。(普段はグースカ眠れるのでかなり珍しい)

そして迎えた10月1日(日)。昼間にトゥーロンからニースに電車で戻り、一瞬家に戻ってそのまま飛行場へ。大きなスーツケースを抱えてトラムを利用し到着。(ジェレミーの両親に迎えをお願いすればよかったのだが、その日はたしか二人は予定があったはず、とあえて連絡しなかった)
そしてトルコ航空のチェックカウンターに着くとすでに表示されている「遅延」の文字。
航空会社は「悪天候のため」という。遅延はよくあるけど、問題なのはその時間。
3時間遅れと出ている。私はイスタンブールで羽田行きの飛行機に乗り換える予定だが、その乗り換えに3時間しかない。なのでどう考えても私は羽田行きの飛行機に乗れない。
絶望した。カウンターのお姉さんと話し合って、翌日また同じ飛行機に乗ることにした。
まさかの空港から、飛行機に乗らず家に帰ってくるパターン!!!なんと。

(このときこういう飛行機トラブルは人生初だと思ってたけど、今考えたら一回あった。たしか4年前のトロント。)

このとき今まで溜まってた疲労と不眠でくたくた。
その日は家で10時間寝た。。


そして翌日10月2日(月)。
朝から美大の講義用の資料の準備。忙しくて、実はまだ終わってない!やばい!
ゆっくり取り掛かる。かなり進む。そしてお昼は義両親のうちで食べて、そのまま空港まで送ってもらった。「昨日なんで連絡しなかったのか!喜んで運送するのに!!!」とかなり怒られた。

かなり早めに空港ついたんだけど、スクリーンを見るとまたもや遅延の文字。。。
まじかよーーーーーまたかよーーーーー


でも1時間40分の遅れ。
「1時間20分のトランジット時間があるから大丈夫か」
と思い、安心してスーツケースを預ける。
カウンターの若いお姉さんとも2日目だから顔見知り。笑
私がそれでも心配していると
「大丈夫ですよ!羽田行きの飛行機もトルコ航空だから、遅れている乗客を少し待つこともあるし!」
めっちゃ軽い。

また講演資料の整理を続けているとトルコ航空からのメールが。
「遅延が2時間15分になりました」
うそ、、、
つまり飛行機乗り換えるのに45分しかない。
この時点ですでに搭乗口スペースにいるので、後戻りは考えていない。
そしてこのあとなんと2回もトルコ航空からメールが来て、結局またもや3時間の遅れで飛行機が出発することになった。
不安がっていると、同じ飛行機にのるジョージア人の女の子から話しかけられた。
こういう状況のとき不安を分かち合うってものすごくホッとする。私の英語でも十分に伝わるし、なんだか気の合う人だった。
さっきカウンターにいた若い女性スタッフが通りがかったので「私次の飛行機乗れないんやけど」というと
「大丈夫大丈夫!飛行機は予定よりも少し速度を上げて飛ぶから30分くらい早く着くし、ほかの飛行機も遅れる乗客を待ってますから!」と。すげーあっけらかんと言ったので、そんなもんか?と思ってめっちゃ吹っ切れた。
「あぁ、そうだ。航空券見せてください」
見せると、何かの印をつけて、別の紙を渡される。
「これ、レストランで使える券です。ご自由に」
と、15ユーロ分のお食事券をもらった。
そしてジョージア人の子とまた話し始めた。
彼女の名前がタマリであること。たまり醤油は美味しいし日本で有名だと伝えた。
ネットで検索して見せてあげると、たまたまたまり醤油の値段(6ユーロ)が載ってて、それを見た彼女が「安っ!」とツッコミをいれてて、こんなテキトーな会話でめっちゃ元気出たし二人で大爆笑しっぱなしだった。
さっきまで地獄の果てにいるような顔をしていたのに、5分後には知らない国の子と爆笑してて、自分はなんて単純なんやろうと我ながらに思った。

スタバで軽食。
これがめちゃくちゃ多くて、お腹パンパン。
そして時間が来て、無事搭乗した。

飛行機内にて。
食事が出されたのだが、さっきがっつり食べたから全然食べられない。
周りのトルコ人が口を揃えたように「あいらん」という飲み物を飲んでいた。なんだろう、牛乳?
興味津々がとまらなくて、横のおじさんに「それなんですか」と聞く。
おじさん「あいらんです。」
私「甘いですか?牛乳?」
おじさん「甘くないよ!ヨーグルトみたいな飲み物だよ」
私「ふーん」

添乗員さんに言って、少しもらった。
うん、全然飲めない!
塩っけがあって、全然すすまないー
でも頑張って全部飲み干した。かなりきつかった。
3時間のフライトはあっという間に終わった。
映画をみたらちょうど。

さぁ、そして飛行機は着陸した。
朝の2時ぴったりに着陸した。
私の乗る羽田行きの飛行機は2時20分発。
!!!20分しかない!!!
しかもイスタンブール空港はめちゃくちゃ広いらしく、着陸から飛行機が停車(停機?)するまで16分もかかったのだ!!!つまり私4分しかないんやけど!
サインが消えてシートベルトを外す。

ガバッと席から立ち上がる。すると反対側のところから女性が「私トランジットに全然時間がないので、先いいですか?」と、横の男性に言っている女性がいた。同じ境遇の人がいた!まさか東京行きだったらいいな、と思って
私は思い切って「私も時間ないんです、どこに行くんですか?」と聞いた。
女性「バリです。」
私「私は東京です。わたしは4分しかない」
横にいた男性「えぇ!でも同じ航空会社なら、おそらく待っていると思いますよ。」
私「そうだといいんですけど・・・」

そのあとドアが開いて一斉にみんな外に出る。
その女性と私はまじで小学校のときのかけっこみたいに、二人で走った。走りながら話していて、なんとなく彼女の英語に仏語のなまりを聞いたので「まさかフランス人?」と仏語で言ったらすんごい驚いた顔をして
「そう!えぇなんでわかった?あなた、しかも訛り無い!」と仏語で返事された
(この間、二人とももちろん全速力!笑)

電光掲示板の前に着いてどこのゲートに行くか見る。彼女はバリのものを見つけてそのまま走っていった。

そして私はというと、、、、

羽田行きが、ナイ。

ない、ない、ない!!

時間はちょうど2時20分。
みんな「飛行機は待ってる」言ってたじゃーーーーーーん!!!!
空港職員を見つけて「羽田行きのゲートはどこですか!」と聞くと、すぐ携帯で調べてくれた。
「D16です」

ありがとうございますーーーー!

と言って、私はそのまま走った。
めっちゃ走った。
喉がカラカラだし、暑いし、荷物も少しあったけど、とにかく走った。
そして広すぎる空港。なんでこんな遠い。。。。


結局15分もかかってD16に着いたが、
100メートル先から見えていましたよ
そこに人っ子一人いないのが。。。


愕然とした。



映画みたいに荷物を手からボトッと落とした。
まじでーーーうそつきーーー
と口に出して言ったかもしれない。

そのときニースの空港職員の人たちの顔が浮かんだ。。
うそつきーーー!!!

そのあと上着を脱いで、水を飲んで、少し落ち着いてからカスタマーサービスへ。
写真には写ってないけど大量の人が待ってたし、中にも日本人らしき人がいたのでホッとする。

空港で寝泊まりとかになったらどうしよう。
ホテル提案されても、この時間(そのとき朝3時)に外なんて一人で出れないよー
あと23時間も待つなんて信じられない
と不安で仕方がなかった。

私の番が来て、カウンターの男性の向かいに行く。
チケットを見せる。すごく真剣で真面目そうな男性。目力つよめ。

彼は私のパスポートを見るなり、いきなり

「マキィコーー!」

と、めっちゃ大きい声で私の名前を呼んだのだ。

あまりに予期していなかったので、びっくりして私は目を大きくしちゃって、そのあとめっちゃ面白くて大爆笑した。
そのとき全身の力が抜けて「あぁ、大丈夫だわ、これ」と思った。

男性職員は手際よくキーボードを打って
「はい、これ明日の同じ時間の便ね~ ホテルが用意されるから、パスポートコントロールの方にまっすぐ歩いて行って手配してね~」
と、それだけで終わった。

色々抗議したりしなきゃいけないと思ってたから拍子抜け。なによりあの「マキィコーー!」を思い出して、今でも笑えるくらい。助かったーありがとう。


空港が馬鹿でかいのでひたすら人に聞きまくってやっとホテルカウンターを見つけた。パスポートコントロールも2箇所あるし(違いが書いてなくて、誰がわかるっちゅーねん)、とにかくわかりづらい。しかも私はホテルは空港の中にあると勘違いしていたので、まさか完全に外に出るとは思っていなかった。
ホテルカウンターでまた列に並ぶ。そのとき朝の4時半くらい。
そこのカウンターのお兄さんがまたいい顔をした面白そうな人で、私がパスポートを見せるなりいきなり日本語で「こんにちは!」とそれは元気よく挨拶してくれたのだった。これには笑顔になっちゃうよね~!

そして彼は「ぼく今度日本行くんだよ!」という。
私「そうなんですか!どのくらい行くの」
彼「5日だけなんだ」
私「少ないね!日本のどこ行くの?東京?」
彼「そう。渋谷に行きたい!」
私「渋谷!秋葉原も行ったら面白いかもよ!箱根も!」
彼「秋葉原もちゃんとメモってある!楽しみ~!」
朝の4時なのに楽しい。「良い旅を~」と言ってバイバイした。

そしてそのあと別の職員さんに名前を呼ばれ、一箇所にみんな集まってシャトルバスに乗ってホテルに向かった。
パスポートコントロールのところからずっと同じ道を歩いて来たカップルの人と仲良くなった。どこの国の人か聞いたけど忘れた。たしか西ヨーロッパだったと思うけど。。。
彼らが本当に面白くって、チャーミングで、お互い拙い英語でよくこんな笑ってお話ができるもんだ。同じ仏語を話すのに全然話が続かないフランス人もいるし、日本人同士なのに全然話が続かない日本人がいるのも、本当に不思議なこと。
バスでは最前列に彼らと座り、私の横はトルコ人の男の子で、バリ行きの飛行機に乗れなかったんだと。彼はトルコ語がわかるので私らより詳しい情報を知っており、これから行くホテルは空港から80kmも離れたところだということ。市内からは離れていること。などを教えてくれた。
すごくいい人で、インターネットを共有してくれたり、なんと翌日(同じ日だけど)の昼間に市内観光に連れて行こうかと誘ってくれた。おそらく好意で言ってくれたと思ったけど、まず私はたくさん寝たかったし、あといい人でもどこまで信頼していいか分からなかったのでウンとは言わなかった。そのあと色々話してめちゃくちゃ笑ったのだが、時々「旅行は一人でしているのか」「フランスに住んでいる言ってたけど、一人で住んでいるのか」と聞いて来たので、やっぱり!と思って
すぐ「彼氏と住んでいる」と言った。そのあとも普通に会話しホテルで会ったら話しするけど、おそらくどこかに2人では行かないだろう。
でもトルコ人と話をしたのは初めてで、なかなか面白かった。あの飲み物「あいらん」のことも聞いたけど、「たしかに国民的ドリンクかもしれないが、僕は苦手」
と言っていたので、
「あぁ、チーズが嫌いなフランス人とかお米が嫌いな日本人みたいだね!」と言ったら笑っていた。

ということで朝6時前にやっとホテルついて、素敵な部屋で寝ましたーーーー
これはそのホテルの部屋で書いているけど、無事飛行機時間通りに飛びますように!

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