2020-12-21

南仏滞在③

ギャラリストのキャロリーヌは町中の誰とも知り合いで、会う人会う人ととにかく話す。今回滞在中会った人全員に
私が3月個展をすること、私が純日本人であること、11年もフランスに住んでいること、よく笑うこと、などなどを話すのであった。この3日の滞在で、この町でかなり有名人になった気分だ。


彼女に「料理する?」と聞かれ、
「人並みにはね。巻き寿司とかつくるよ。」と答えると、目を輝かせて「本当!!牧子さえ良ければ是非一緒に作って欲しい、作り方を教えて欲しい」と言ったのだった。
 
今やフランスではどこでも巻き寿司が手軽に食べられる。しかしこの町ではそうもいかず、町にあるレストラン(とても上品で立派な所)で食べた巻き寿司は非常にまずくて食べられたものではなかった、とのこと。

 
夕方、買い出しを終えギャラリーに戻る際、たまたまそのレストランの前を通ったのだけど、ちょうどソムリエの人がタバコをふかしていた。するとキャロリーヌは躊躇することもなく
 
「やっほー⚪︎⚪︎(ソムリエの名前)!元気?こちら、牧子。3月にうちで個展をするアーティスト。彼女は正真正銘の日本人で、明日夜巻き寿司を作ってもらうの!この前ここで食べた巻き寿司本当に美味しくなかったじゃん、もうお米の味がひどかった。明日夜何個か持ってくるし食べさせてあげるねー。」 
 
と言うではありませんか!!!
 
 
私は彼女のあまりにサバサバさと、その悪気のない率直な言い方に感服した(笑)。ソムリエの方と彼女は友人とはいえ、はっきりと「あれはまずかった」と言い切る姿はあっぱれとしか言いようがなかったし、あまりに悪気のない言い方だったのでソムリエの方も特に気分を害している感じではなかった。
 
こんな際どい発言をしても、その場が全然白けずに暖かい雰囲気を保てるのがキャロリーヌのすごいところで、結局みんなが笑って楽しい雰囲気で手を振って別れた。(すげー!)
 
(しかもその後、どうしても見つからなかった巻き簀やわさびも貸してもらった。私は巻き寿司作りになんとか成功し、彼はとても喜んでくれた!よかったー)
 
 
 
寿司に関してだけでなく、私の作品に対しても彼女は容赦ない。途中「本当に私の作品好きなんだろうか…」と心配になるくらいダメ出しをされたし、改善すべき点や課題なども全部直球でこちらに投げてくる。5年前の私ならきっと泣いていたかもしれない笑

だけどその分、真剣にアーティストと向き合いたい、という気持ちが十分すぎるほどに伝わってくる。じゃないと見ず知らずの人をわざわざ泊まりがけで田舎に呼ばないし、こんなに手間のかかることしないだろう。
私が彼女と一緒に過ごした間中、彼女の携帯はずっとなりっぱなしであった。電話だったりメールだったりメッセンジャーだったり、本当に驚くほど携帯は休んでいなかった。私がデッサンを鞄から出してテーブルに広げた瞬間から、彼女は写真を撮りまくってあらゆるコレクターに発信し彼らの反応を見ていた。これほどのど田舎に住んでいながらギャラリーがちゃんと機能し続けているのは、こうした理由があったのだった。



私は人に恵まれるという才能があることを、自覚している。
 
それは今の友人が素晴らしい人ばかりであること、一緒に仕事をしている人らがとても魅力的な人ばかりであることに証明される。本当にラッキーだなぁと我ながら思う。
 
今回のキャロリーヌとアルノーとの出会いのように、ある日突然降ってくるような不思議な出会いというのもある。彼らのように、わたしがアーティストという仕事を続けていく上で重要なアドヴァイスをくれる人々が、定期的に私の眼の前に現れる。


ここでありがとうって言ってもしょうがないかもしれないけど、やっぱり自分がいろんな人のおかげで生かされているという感覚は絶対。
だからやっぱり言う、ありがとう。
 
 

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