作業場。足場の上。
時々、こうして巨大空間で一人絵を描いている状況が滑稽でたまらないと思うことがある。色んな人が「牧子が絵をかく」ということを全力でサポートしているというこの状況に。みんなありがとう。
フランスに来たてで仏語もままならなかった11年前、友人の紹介で知り合った人に
「絵を描いているの?そんなことしても何にもならないよ。」と言われたことがある。
奇しくもその人は美術学校の卒業生で(ナントではなかったけど)、当時グラフィックデザインをしながら生計をたてていた。なかなか仕事がない、と愚痴を言っていたのをよく覚えている。
私は彼の発言にかーーーーなり驚いた。
「なんで?」と聞き返した私に「お金にならない」と彼は答えた。
私は(なんて夢のない、つまらない人なのだろう かわいそうに)と思ったと思う。ましてや私はフランスに来てほやほや、夢を持った若き外国人学生。たどたどしくもそれなりに頑張って外国語を話す、そんな若造の希望や夢をバキボキとへし折る発言をする人間性を疑った。(今思えば そういう私のやる気に満ちた感じが気に入らなかったのかもしれない。本当に意地悪な人だったな…)
彼が「絵を描いても何にもならない」言ったのは、 多分彼自身そう言い(思い)続けることによって暗示のようなものをかけているのかなと思った。だからいつまでたっても何にもならない。「何にもならない」のは、彼がそう思っているからだよ。
そんな人と友達でいたいと思う筈もなく、もうそれ以来全然連絡とってないしとりたいとも思わない。でももし今どこかでバッタリ会ったら「道は険しいが、その分素晴らしいことがたっっっっくさん起こる」 と言うでしょうな。
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