2019-10-26

ピカソの母の手。

今日からサマータイム終了。
日本との時差は8時間です。


昨夜両親とビデオ通話していたのだけど、私の作品の話になった。
お母さんが
「牧ちゃん本当に手描くの好きだよね」
と言うので、
「ねー。自分でもよく分からないんだけどねー」
と答えたものの、そういえばピカソの手の話してなかったっけ?と思って伝えた。



ピカソの手の話というのは…

私が小さいころ、私の母は4兄弟を毎朝起こしに2階へやってくるのだけど、一人一人声かけをする際、家事に追われて冷たくなったであろうその手で、私の頬っぺたを冷やして行くのであった。その冷たい手が何とも私は大好きで、冷たいんだけどお母さんのぬくもりを感じていて毎朝嬉しかったのだった。
少しずつ大きくなるにつれ自分で起きられるようになっていったが、お母さんの手の話などはすっかり忘れていたと思う。
高校生になって美術大学への進学を決意し、絵の勉強を始めた。ある日、いつものように画塾にある画集を見漁っていたら、ピカソのこの母子像に遭遇した。

この絵を見た瞬間、この絵の母の手が、私の母の手にそっくりで思わず目が釘づけになった。細くって大きくって、そして冷たい感じも伝わってくるこの絵に、私は幼少期の朝の空気を感じたのでした。


この話は去年FRACで個展をした際作ってもらったカタログの中でも話しており、両親にはすっかりこの話はしたと思っていた。
でも昨日話したら、二人ともとても喜んでくれて(というかすごくびっくりしていたような)、なんか照れくさかったけど話して良かったなーと思いました。

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