2020-11-03

ワークショップ

毎回毎回、ワークショップの仕事が始まる直前思う。
「なんでこの仕事 受けつけちゃったんだろ…」 
 
それくらいに緊張する。

(これは教室にもともと展示してあった作品。みんな絵上手いな!)


わたしは美術の教師ではなくアーティストとして呼ばれているので、カリキュラムに沿ったややこしいことを教えなければいけないわけじゃないのは分かっている。だけど世間一般の教育機関とわたしの日頃の生活があまりにかけ離れており、「こんなところにわたしが来ていいのだろうか」と思うし、足を踏み入れるたびにソワソワするのだった。
 
 
授業が始まる少し前に美術の教室に着き、担当の先生に再会。彼女はわたしよりも少し年上で、珍しく真面目な人だ。最初自分と全く違うタイプの人だなと思っていたのだけど、美術学校出身と聞いて(わたしが一方的に)一気に打ち明けた。
プロジェクターなどの用意をしているうちに生徒が続々集まってきて、ついに開始。全部で14人。皆んななんか優しそう。わたし、緊張はしているけど大丈夫かも。
 
初っ端、わたしは何を思ったか、顔も見せないまま喋っても本当にみんなに伝わるのか不安になったので、突如マスクを取って短く自己紹介をした。思いっきり笑って歯(もちろん矯正中)を見せた。生徒たちはとくに無反応だだったけど、自分が勝手にすっきりしてそのまま作品のプレゼンを続けた。



そのあと雑談ありの、リラックスした雰囲気でプレゼンは進む。静かな子もいるけど、随時発言がめちゃくちゃあってすごいいい感じだった。わたしはずっと笑いっぱなしであった。みんなの前では話をしない子も、個別に意見を聞きにいくとちゃんと意見を話せる。高校生って立派だなーと思った。 


フランスの高校事情なんて全く知らなかったけど、日によっては朝8時から夕方18時までみっちり授業がある日があるらしい。お昼休みは45分とかで、毎日たくさん宿題が出るそうな。
生徒の一人が「本当に大変なの!わたしの時間割見て!」と言いながら立ち上がり、わたしにわざわざ時間割表を見せてくれた。こんなに毎日忙しいんだなんて知らなかった。そもそも朝8時始まりとか、早いな…(たしかフランスの一般大学とかは朝7時半とか始まりのところもあったはず。でもわたしがいた美術学校は早くて9時とかだったと思う。昔のことなので知らんけど)
 
 
彼らからいっぱい色んなことを教えてもらえて嬉しい。
 
 
 
初日は簡単なプレゼンと導入。
あと5回この高校に通う。週に2時間だけの少ないプログラムだけど、彼らにまた会えるのが楽しみだ!

2020-11-02

高校へ出張講師

 9月にFRAC(フランス各地域にあるアートセンターみたいなところ)から連絡があった。

 
 
「牧子久しぶりー!突然なんだけど、ナント市内の某高校に行って授業しない?」
 
 
彼らは(スタッフの9割が女性なので「彼女らは」と言いたい所だが)ペイ・ド・ラ・ロワール圏のさまざまな教育機関とコラボレーションをしており、若手アーティストを送り込んでいる。普段はFRACが相手先に若干名の若手アーティストの資料を送り、相手側に一緒に仕事したいアーティストを決めてもらうそうだ。
今回まことにありがたいことに、相手先はわたしを選んでくれたとのこと。


わたしはもちろん喜んで承諾し(もちろん報酬ありのお仕事)、打ち合わせのため初めてフランスの高校という所に向かったのが9月中頃。学長に挨拶したり校内を見せてもらったり。担当の先生と何度か打ち合わせを重ね、いよいよ初日の11月2日が近づいてきた。
 
ところがFRACから、「授業で使うための画材費用の使用許可」が一向に出ない。連絡しても「ちょっと待って」の一点張り。授業は来週なのに、画材なしか…そもそも授業、本当にあるのかな?
と不安に思っている矢先に 外出制限が始まったのだった。
 
 
 
こりゃ中止だろうな、と高をくくっていると
なんと日曜日に担当教師から連絡が。
 
「牧子!朗報!授業、通常通り出来るって!」
 
 
 
それまでわたしはモチーベンションがあがらず、準備もグダグダだったのだが、そのメールを受けた瞬間からモーレツに準備を進めた。日曜と月曜は終始ストレスMAXな状態で過ごした。
 
 
子ども達に授業するのはなかなか緊張するんです。。
自分の作品に興味持ってもらえるかなとか、
自分の仏語を注意されないかとか、
自分の訛り分かってもらえるかなーとか。
 
 
そこまで心配したところで、相手側がどう反応するかは全て自分のコントロール外のことなので心配するだけ無駄だとはわかっているものの、やっぱり不安。
 
 
 
 続く
 

2020-11-01

つらいよね

外出制限が再度始まった。といっても私の仕事はテレワークが出来ないフリーランス業なので、アトリエに堂々と毎日通っている。
 
土曜日の夕方、アトリエから帰るときトラムに乗ったのだけど、見事に車内・街中ともにガラガラでびっくりした。フランス人やるじゃん!という印象を持ちました。でもパン屋に行くとふつーに店員さんはパンと小銭を同じ手で持っている。かと思うとトラムでしょっちゅう消毒液を手に塗りたくるマダムを見かけたりする。




しかしやっぱりロックダウンは精神的にキツイよ。
それに心配事はコロナ感染だけじゃない。テロ事件も絶えない。警察がそこらじゅうパトロールしており、変な緊張感が平時ずっと拭えない。外に出歩くとき証明書を持って歩くのが本当嫌だ。
春に行われたロックダウンは、初めての経験で不安ながらもみんなドキドキしながら過ごしたと思う。SF映画にいるみたい、と何度も思ったのは私だけじゃないはず。でも今回はそういった感情がなく、ひたすら「あぁ・・・」という絶望感が多い(私の場合)。
 
多くのイベントも中止になり、今後どうなるんだろ…という不安ばかり。そりゃ鬱になる人多くなるよね。 
モチベーションがあがらなくてむにゃむにゃしていたら、Aがめっちゃカロリー高そうなガテン系夕食作ってくれた。


どーなるんだろ。感染者数が減らなかったらクリスマスまでロックダウンだろうか。でもクリスマスまでロックダウンしてしまったら、流石に仏人らは黙っていないと思うな。

 
コルテオ 太陽光発電