2018-10-31

引っ越しのこと

アトリエを少しずつ整理整頓しています。


写真の奥に見える壁はコンクリート。。。
穴を開けて棚を設置したかったんだけど、専用のドリルを友達から借りて使うも私が非力すぎて全然穴が開かない…笑

私ってこんなに力がなかったのか! (*o*)
本来なら男友達に頼んでやってもらうのがいいんだろうけど、わざわざそのために彼らに連絡して、忙しい彼らにわざわざ来てもらうっていうのが面倒くさくて。なので結局コンクリートの壁に穴を開けるのは諦めて、右奥に見える壁が幸運にも石膏ボードだったので、そこに棚を設置することにした。



友達にプレゼントをもらった。笑
「ピエロ」と名付けた。


10月は、新しいアトリエへの入居とアパートの引っ越しが重なって本当に忙しい日々だった。



引っ越し当日から3日間、
今まで生きてきて
初めてこんなに泣いた。



自分は何をやっているんだろう
なんでこんなに寂しいんだろう
なんでこんなに人を傷つけて、自分さえも傷ついているんだろう


今すべてを取り消したら何もかもがうまく行くんじゃないか。 そうしたらボリスケだって泣くのをやめるし、私だって泣かない。でももう決めてしまったのだから、遅すぎる。

7年も一緒に住んだ人と離れて暮らすことが、こんなにも非現実なことなの?



ボリスと離れて暮らすということが全く現実味を帯びなくて、荷物を運びながら・運転しながら一人でひたすら泣いた。辛くて辛くて、金沢の実家に何度か電話をしたし、お父さんは買い物の途中だったのに電話に出てくれて、困らせてしまったね。(ごめん)


引っ越しして次の日だったと思うけど
朝起きて、やっぱり泣いていたら同居人のエリーズが起きてきた。泣いている私を見て何も言わずハグをしてくれて、話を聞いてくれた。
私は一体今自分が何をしているのかさっぱりわからずにパニックに陥っていたと思う。それをうまく伝えようとするにも、伝えられない。

でも彼女は一通り私の話を聞いた後、まっすぐ私を見て
 

「まきこ、人は何かを決断するときには必ず理由があるの。それを忘れてはいけない」

って言った。

私はそのときすっっっっっごくビックリした。
だって自分のしたことの理由とか全然忘れてて、とりあえず現実を受け止めるのが精一杯で何も考えられてなかったから。
私がボリスケを離れる決断をしたのはやっぱりいろんな思いがあったから。それをすっかり忘れてた。


エリーズの言葉でだいぶ気が楽になったというか、やっとそのとき私はしっかり前を向いたと思う。救われた。



具体的にはまだ引っ越しは完全に終わってないんだけど、早く終わらせねば。
2メートルほどのキャンヴァスはまだ運びきれてないし、こまごましたものがまだ残ってる。つらいけど、やらなきゃ。前に進まなければならない。

2018-10-30

Zebra clean

ボリスケがまたLieu Uniqueの奥にあるスペースで展示を企画しました。
今回はAntoine Orandを招待したのですが、彼は他にアーティスト2人を招待。結局3人の展示になりました。

Antoine Orand
Vica Pacheco
Baptiste Le Chapelain


写真の技術が至らず伝わりにくいですが、今回もすごくいい展示でした!!!!
3日の間にたくさんの人に来ていただいて、企画側としても本当に嬉しかった。

2018-10-27

中学校でワークショップ③

今回のワークショップで何が一番緊張の種だったかというと、相手がフランス人の「中学生」だったということ。思春期真っ盛り、もしくは思春期に差し掛かる頃のこどもたちはどんな感じなのか、本当に知らなかったから。


日本語の訛りもバカにされたりするんだろうか
こんなことも知らないのって言われたりするんだろうか
授業つまらんって言われたらどうするーーー




初日。
美術の先生が
「はーい、こどもたちー "Allez les enfants" 」
と言ってワークショップが始まったのですが、

それを聞いた一人の女の子が
「"こども"だって…笑」
とぼそりと言い、クスリと笑ったのでした。

特に意地悪な感じでもなく、自然で可愛い感じだったので先生も笑顔でスルーしたけど、私はその反応が面白くって一人で爆笑しちゃった。
素直で可愛いなぁって。
でもその分言葉の使い方には気をつけないとって、最初っから緊張度さらにマックス。




一人、ムードメーカーのようなトラブルメーカーのような面白い子がいて、あまりにいい絵を描くので私は
「いいねぇー!!ご両親もさぞ我が子を誇りに思っているでしょうよ^^」とぼそりと言ったのです。その時その子は何も言わず、絵に集中していたように思う。

でも、そのあと私は気づいてしまったのだけど、その子はことあるごとに「おばさんが」「おばさんに聞かないと」「おばさんはこう」と、おばさんの話ばかりで両親のことは何も言わない。

あぁ、きっとご両親と一緒に暮らしてないんだなぁと私は感づいたので、あとで先生に聞いたらズバリ。ご両親はそれぞれ健在だけども、家族関係に色々問題があっておばさんと暮らしているんだって。
私はそんなことも知らずにさらっとお父さんお母さんを話に出してしまった。外部からやってきた私は確かに知る由もないのだけど、「あちゃーーー」って思ったよね。

それにしても国が違えど、どこも同じだなぁとしみじみ思ったのです。この子以外にも複雑な家庭に育っている子はたくさんいて、彼らと話をするとき言葉や内容にすごく気を使ったよ。コーヒーブレイク中に先生がいっぱい情報をくれて、助かった。ちなみに先生のすごくプライベートな話も聞いて、先生のことも好きになった。笑





金沢美大にいたころ教員免許を取るため、私は母校の中学校で1ヶ月の教育実習をしたのですが、私の担当だった美術の先生があまりに厳しく、私は正直「くだらない」と蔑んでいた。生徒たちは私の前ではっきりと「美術がぜんぜん楽しくない」と宣言していたし、授業の様子も刑務所みたいだった。休み時間や放課後に触れ合う子供たちはすごく生き生きしていたし楽しそうだったのに。
今回出会ったフランスの中学生たちは、先生に怯えることなく堂々としていて、なおかつ美術に真剣に向き合っていて感激した。先生と子供たちが言葉を交わす場面がとっても多くて、本当にいいなぁと思ったし、羨ましいと思った。


中学校からは先生に対して敬語を使うことが義務なので、こどもたちは私に対してもvousで話すし(フランス語では目上の人と話すときは相手のことをvousで表現し、タメ口の場合はtu)、なんと私を呼ぶときは"Madame!"と呼ぶ。

「私はマダムではなくマキコですぅううううう!!!」
「私とはタメ口で話すこと!」
って、何度言ったことか!

私は先生じゃないし、私こそ彼らからいっぱい学ぶことがあるので。対等でありたい。


こどもってすごく可愛いと思うんだけど、なんでも見透かされそうで実は私はビクビク怯えていた。でもそれは私が彼らを「こども」として見ていたからであって、「人」として同等に見ていなかったからなんだろうな。ごめん。


14人のこどもたちの名前もちゃんと覚えたし、12月にまた会うのが楽しみ^^

中学校でワークショップ②

1日目の夜はもうくたくた。
家に着くと同居人たちは夜の街に遊びに出てていないし、私は熱いシャワーを浴びて早めに寝ました。


実は子供達の仕事が早いので、翌日朝にしようと思っていたことを1日目の午後にしてしまった。どうしようかなーやることがない…子供達が退屈だと思ったらどうしよう!と困っていたのですが、美術の先生は数秒悩んだ挙句「明日、子供達の様子をみて考えましょう」とサッパリ言い切って、その日は終了。笑


結局朝の導入として、みんなで一つの漫画(ストーリー)をかくことにした。
みんなが描けそうなモチーフを私が一コマ目に描いて、次の人に渡す。次の人は続きの一コマを描いて横の人に渡す。。。
全部で用意した6枚の大きな紙に6つのストーリー。時々意味のわからないところがあるけど、まぁ楽しんだよね。
これは意外に時間稼ぎになって助かった笑

途中美術の先生と私はまたコーヒーブレイクで教室を出たのですが、戻ってきてもちゃんとみんな絵を描いててびっくりした。

いい子すぎる!なんじゃこりゃー




みんなの四コマ。
1〜3コマの水の表現がいいなぁ。

文字のフォントが全部違う。

コマ割りが絶妙!

このコマの坂具合と、ウサギのいれ方が独特。




これはある生徒が以前家で描いたものを持ってきてくれて、なんで持ってきてくれたのかなーって思ったら私に見せるためだったんだね!
はっと気づいてめっちゃ嬉しかった…ありがとー!
特に左の絵なんて最高!!!!
他にも生徒がデッサン集を見せてくれて、みんなすげーやる気だなぁと、嬉しくなりました。

二日目の昼はみんなでピザを頼む。

午後は大きな絵に共同作業で漫画を描く生徒もいれば
A3サイズの紙に4コマを描く生徒もいれば
それぞれしたいことをしてて、すごく一生懸命だった。


12月に私はもう一日ここに来る。
生徒の作品をみんなで飾って、家族の方々をご招待して展示をするのです。
みんなの晴れ舞台。
うまくいくといいなぁ

2018-10-26

中学校でワークショップ①

ナント市から60㎞ほど離れた所にある中学校で2日間、ワークショップをしてきました。

このワークショップは希望制。
今は2週間の秋休み(vacances de la Toussaint)中ですが、それでも「美術がやりたい!」というナイスな心意気の中学生の参加です。打ち合わせでは「8人くらい」と聞いていたのに、結局14人もの参加者。うち男子は3人。



休暇中なのでもちろん給食はない。
なので美術教師の方の提案で
「各自、自分の得意料理を持ち寄ってみんなで食べる」
という宿題が出されていたので、わたしは巻き寿司(恒例すぎる…)を持ってきました。
ただでさえ、慣れていない中学校のワークショップで2週間前から緊張しているのに、当日早めに起きて巻き寿司を巻くわたしってどんだけ…(笑)と思いながら、それらをシュパパパパーーーと弁当箱に詰め、1時間の運転を経てやっと中学校に着きました。


着いたけど、、、大きいなぁーーーーー

そして、案の定誰もいない。笑
ワークショップは9時から17時なんだけどなぁ

生徒が一人早く来てて、ちょっと安心。
受付のおじさんが優しい人で、これも安心。
おじさんによると、記憶はうろ覚えですが高校も入れて校内面積12ヘクタール…。。東京ドーム2〜3個分?うそでしょ(*o*)さすが田舎。



わたしは緊張のあまり、8時半に着く。校内をウロウロしたり、生徒と話をしたり、父兄の方とだべる。美術の先生、9時10分に到着。笑 もちろん謝罪とかはないよ。笑

こういう遅刻って今でもびっくりする。けど、私としては働く時間が削られてラッキーっちゃラッキーだし、キリキリした厳しい雰囲気で仕事をするよりかは肩の力を抜いてやる方が好きなので、個人的には小さな遅刻はありと思います。(自分は絶対に遅刻はしないんだけどね)


美術室。
まずは椅子を降ろすところから。
簡単に自己紹介をする。

私の話ばかりしてもしょうがないので、みんなの前で絵の具遊び。
絵の具が勝手に起こす現象やにじみを見ながら、みんなすごく楽しそう。



そして11時にはおやつタイム!笑
最高すぎる。 
まぁヴァカンス中だしね。

そのあとまた仕事をして、お昼ご飯タイムだったんだけどすっかり写真撮るのを忘れた…
みんなが作ったキッシュ、ケイク、サラダ、チーズ、デザートは食べきれない量で、本当ご馳走だった。



食事のあと私は美術の先生と二人でコーヒーブレイク。

職員室で見つけた、これ笑
「最愛の同僚たちに、私はおやつを持ってきます」
誰も何も記載してないけど!笑

こんなチャーミングな張り紙があるなんて、みんな仲のいい職場なんだろうなぁ。って言ったら先生が自信満々に「そうよ^^」って。素晴らしい!



休憩のあと、午後の部。

今回私はみんなに4コマ漫画を描いてもらいたいと思って。でもいきなり漫画かくと、みんな棒人間描くし(なんでなんだろうね?)、漫画にはいろんな顔の表現が必要なのよ、ということで顔を。

いろんな表情の(自分の)顔、を描いてもらいました。
本当は「自分をブサイクにした顔」を描いてほしかったんだけど笑、なんか話が段々いろんな方向に流れていってしまった…
たくさん、面白い顔^^
モンスター?
これを見ながら私もニヤニヤ^^
みんないい仕事!!! 

17時きっかりには終わって、私も先生も17時01分には車に乗り込み、帰宅。
くたくたの体に1時間の運転はキツイかと思ったけど、田舎の風景を見ながらのんびりと運転するのは悪くなかったよ。

続く


2018-10-23

決断と近況

このブログはもともと家族や親戚のみなさんに
「牧子は元気にやってるよ」っていうことを
お知らせするささやかな場だったのですが、フランスに来て早9年。
気づけばたくさんの人に読んでいただいております。っていってもどこのどんな方が読んでくださってるのかわたしにはさっぱりわからないのだけど。


(ラクレットの季節)


何がいいたいかというと、この夏わたしはボリスケと別々の人生を歩む決断をしました。10月頭には引越しをして、今はナント市内で二人の友人と一緒に同居をしております。


自分の決断とはいえ、長年寄り添った相手から離れるって、思ったよりも精神的にダメージが大きくてなかなか立ち直れてないのですが、今はそっとしておいてくださいませ。


ちなみにボリスケと本を作る活動は続けていくし、友人関係は続けていきます。少しずついろいろ書いていきたいと思っているので、また宜しくお願いします。

2018-10-21

パリを歩く。

みきちゃん家を出発してサミーの家までの間、ポンピドゥーに行こうと思っていたけど火曜日は閉まってた(って、有難いことにみきちゃんが教えてくれた)。


まぁのんびりとマレ地区のギャラリーでもまわることにして、パリの中心地に降り立つ。
地下鉄で移動しようと一瞬思うも、
天気もいいし、
パリは久しぶりだし、
えぇーーい、歩いちゃえ!と思って、全部歩いた。

セーヌ川沿いを歩く時、(あぁ私フランスにいるんだなぁ)って今でも思う。早く慣れてよって感じだけど笑
やっぱり地方住まいだからね。

それにしても歩いた歩いた。
オルセーからマレ地区まで行ってベルビルまで。
迷いながら歩いたので、合計軽く10kmは歩いた。朝のみきちゃんとの散歩のあとだったから、この日サミーの家に着いてすぐベッドになだれ込んだ・・・


見たもの。
偶然見つけたけど超ラッキーだった。


私のスターたちがお出迎え。やっぱり大好きドイツの新表現主義。
この日私は Immendorffに再び恋をする。

 

 Perrotin。

これ、パリのbellevilleで簡単にゲット出来る中華肉まんなんだけど、めっちゃ美味しい!日本で売ってるコンビニの肉まんよりパンの部分が多くてずっしり+具がその割に少ないのが少し残念だけど、1ユーロだしこんなに手軽にアジアの味が堪能できるので嬉しいです。

面白い展示が見れて、肉まんを頬張りながら天気のいいパリを歩くだけで幸せになれる私って…。
31歳にもなればもっと大人っぽい生活しててほしいものだけど、まぁ所詮こんなもんです。
でも。これでいいの。
これこそがいいし、
ずっとこのままであってほしい。

 
コルテオ 太陽光発電