2020-07-31

11年前

7月31日といえば。

わたしは11年前のこの日に、フランスにやってきたんです。当日はパリのホテルに泊まったのですが、21時になっても外が明るいことに驚いたのを今でもよく覚えている。
このときは帰りのチケットを買っていなかった。その事実が自分をやたらドキドキさせた。(不安よりもむしろめっちゃワクワクしていた)

入学が決まっていたナントの美術学校は9月の後半?からだったので、そのために最初はアヌシーで1ヶ月語学学校に通おうと、早めにフランスにやってきたのだった。

あれからもう11年かー
はやーーーー


っていうか11年もまだここにいるっていうのが不思議だわよ。





おととい、Jに会いに行った。
Jはべらぼーに可愛い2人の子どもがいる。みんなで近くの公園へ遊びに行って、わたしまでJにアイスをおごってもらった。笑 子供達と一緒になってめっちゃ喜んじゃったぜよ、やったー!

タトゥーシールを見せてくれた。
子どもたちは純フランス人でありながら、バリバリの日本名だ。だからすごく呼びやすい。助かる〜
Jがコッソリ教えてくれたのだけど、こどもたちは私に会えるのをものすごく楽しみにしていてくれたらしい。朝から「牧子はいつくるのー???」の連発だったらしい。両親くらいの歳の大人が遊びにくるというのは、それだけで子は嬉しいらしい。

それで思い出した。
我が家には1〜2年に一度、「すごろくのおじちゃん」という人が遊びに来ていた。今思えば彼はおじさんではなく明らかに「お兄さん」だったし、遊びに来ていたわけではなく私の両親に「会いに来ていた」のだから、こどもの勝手な解釈は誠にわがままである。
このお兄さんと一緒に手作りすごろくを作って一緒に遊ぶのがとてつもなくモーレツに面白かったのだけど、確かに、すごろく以前に歳が若めの大人が家に来るというだけで嬉しかったと思う。そしてどんなすごろくを作っていたかなんて、これっぽっちも覚えていない。


ギラギラの太陽に照らされながら、すごろくのおじさんのことを思い出していたけど、顔がもうあんまり思い出せなかった。でもホンワカした暖かい気持ちになった。
私も将来、Jの子どもたちには「なんかいつも笑ってる日本人のお姉さん(もしくはおばさん)」として頭の片隅になんとなく記憶される存在になるんだろうか。



残念ながらこの日はママはお仕事。9月にまたみんなで会おうねーといってバイバイした。こどもたちから「巻き寿司つくってー」と言われたので、一緒に作って食べようと思う。

(そうすると「巻き寿司のお姉さん」になるかもしれない)

2020-07-29

兄と最高なフレンチを。

フランスの兄に誘われて、2020年のミシュランガイドに載っているレストランで食事してきました。ナント中心地から北東に車で20分ほど。



Le Manoir de la Régate
http://www.manoirdelaregate.com/

こんなガストロノミーをこの価格で堪能できるのは安すぎる!!!と断言する兄。ちなみに私たちが頼んだのは 5 servicesで52ユーロのコース。確かにしょっちゅうは来れないけど、なにか特別の機会になら、という値段。

兄とこの日を待ちわびていた。
私の運転で出発。車内は終始ハイテンションな兄妹。笑
どんだけ楽しみにしてたんだ!この田舎者たち!
二人ともすごくめかし込んでいて、笑った。
だってこんな素敵なレストラン普段来れないんだもーん

(ちなみに兄は、つい数週間前このレストランに友人と一度食事に行ったそうだが、あまりに素晴らしかったので是非牧子と来よう、と思ったらしい)







これ、前菜です。
手前がCuré Nantais(チーズ)。マッシュ(サラダ)を乾燥させてすりつぶしたものを側面に施したもの。
奥がすっかり忘れたけど、チップスに天然のわさびと何かのピュレ。そしてレストラン横にある広大な自然で採れる花!色がめっちゃ素敵!

魚の形をしたムース。
これにスープを注いでくれるとこうなる。



エスカルゴとortie

量がすごく少なくて驚きでしょうが、時間をかけて味わいながら兄とあーだこーだ喋りながら食事をしていると、最後はかなりお腹パンパン。


ご機嫌なので、嫌々ながらも写真撮らせてくれた。笑

ザリガニと卵黄のコンフィ
カリカリに焼かれた シャルキュトリー!色んな食感、たくさんの色。本当に素晴らしすぎる時間だ。

メインのカワカマス(魚)。
これもすぐ横のエルドル川で昨日釣れたものらしい。
魚の上に乗っているのはなんとグレープフルーツ!と花。奥はアーティチョーク。ソースは魚の骨を使って作られている、と言っていた。

チーズ。
中は花粉ベースのアイス!初めて聞いた、なにこれ!
そして美味しい!

これ、pré dessert。。。(前・デサート?)シャーベット。
デザート。
苺をあしらった菊。白いのはメレンゲを焼いたもので、中はアイスでした。
兄の頼んだアプリコット。こっそりウイキョウが入っていて、一口食べただけでも本当色んな楽しみが口で広がる。本当にすごい。
シェフは若干28歳。このレストランのある場所で生まれ育ち、フランス各地で修行を積んだあとオーストラリアのシドニーで日本人の有名シェフの元で修行したそうだ。(残念ながらお名前を忘れてしまった…)
このレストランは家族経営で、シェフのお父様も挨拶に来てくれた。ウエイトレスはシェフのお姉さんだった。暖かい対応にすごく安心した。

シェフのインスタはこちらです。
写真がきれいなので是非一度ご覧になってくださーい
https://www.instagram.com/mathieuperou/


兄はインスタグラムで彼と連絡を時々とっており、知り合いらしい。今回なんとシェフ自ら私たちに会いに来てくれて、いろいろお話をさせてもらった。こういうとき、アーティストっていう職業はなんか得をする気がする。笑 ちなみにシェフは兄の作品がとても好きなんだとか。もう嬉しすぎるよね。
デザートの途中で来てくれたんだけど、シェフと話したいけどアイス溶けるーと一人すごくテンパった私でした。

味はもちろんなんだけど、特にお花がいっぱい添えてあって本当に色合いが素敵。ぜひ母を連れて来たい。もちろん父も。


3時間くらいかけてすべてを平らげた私たちでした。
なんて優雅なひとときだったのだろう。



食事中、何度も兄と
私たちの出会いの不思議さについて話した。彼と知り合ってかれこれ12年。

断言するが、彼と出会っていなかったら私の性格やフランスでの生活は全く違ったものになっていただろう。。。。




食後は兄と近くを散策。

あれ!これ!
チップスに乗ってた花だ!!
 兄。
 たくましい根っこ。
レストラン横の自然も最高だったー


 ご飯食べてすぐ帰ってくるはずが、結局夕方までいた。
 なんて最高な午後だったのだ!


ここオススメです!

ハード

8ヶ月のレンヌ生活から戻ってきたということもあってか、色んな人から「久しぶりに会おう!」メールが来る。ので、昼間は設営、毎日夕方は誰かに会いに行くというかなりハードな毎日を送っている。嬉しいけど、(隠れインドアな私には)ちょっときついぞ。

一日中頭と手と口をフル稼働させている。


なんかいい顔描けた。


レンヌでは誰とも喋らない日々を送っていたので、変化が凄まじすぎて体がついていけてない。

しかしわざわざ私に会いたいなんて、物好きな人がいるもんだ!

2020-07-27

友人の家へ

最近引っ越した友人の家にお呼ばれして行ってきた。
そこが、、、人生で初めて見るほどに大きい(広い)家であった。。。



アート界に生きていると友人の中にまず持ち家の人が少ない。しかし彼らは3軒の家を所有しているツワモノである。
久々に10人以上に囲まれてご飯を食べた。
ナント市内にいるのに、すごいヴァカンスっぽかったー楽しかった〜
展示の設営があるので みんなよりかなり早く家に帰ったのだけど、久々にこんなに楽しいお酒を飲んでルンルンで帰った。


わたしは某財団の奨学生としてフランスにやってきたので、いわゆる世間で言われる経済的に豊かなフランス人たちにはたくさん会ったし、彼らのお家にも遊びに行かせてもらった。だけど、こんなにセンスが良く・素敵で・かつ大きい家には初めて遭遇したのだった。。


これだけ巨大な家を、これだけ素敵にマネージメント出来るのは一種の才能のような気がする。十分な知識と経験とセンス、そして十分なコネクションが必要なんだろな。しかし彼らはそれをいやらしく自慢するでもなく、淡々としていて、かっこよかった。そして無限大に面白かった。


「庭にハリネズミが住み着いているらしくてね、かわいくって、猫の餌あげてるんだよね〜今夜会えるかなー!!」なんて言ったりしていて、みんなでハリネズミ散策を行っていた。笑

2020-07-25

口内マッサージ

ナントに戻ってきて嬉しい事の一つ。
納豆が街中ですぐ買える!!
納豆作りは今の所ストップしております。
容器の殺菌とか大豆を煮たりするのが面倒で…
秋にはまた再開するつもり。


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数日前、なんだか右肩が痛い。寝違えたかな?痛みがなかなかとれないし腰も少し痛いし、久しぶりにostéopathe(整骨医っていうか、整体?)に行ってきました。
今までいろんな先生を試してきたけど、去年一度試して、良かった先生がいる。家から歩いて5分の所にあって、女性の先生で、話しやすくて、何より若い。若いと新しい技術や知識を学んでいるのではないか(古い知識に縛られておらず、いいのではないか)とわたしは勝手に思っている。
先生とはついついタメ口を使いそうになるくらい話しやすい。


右肩が痛むことを話すと、体全体をチェックした先生が「歯列矯正がかなり関係しているかも」と言った。

実は前回もやってもらったのだが、今回は特別長めにやってもらった。。
そう!
口の中をマッサージするのだ!!!!!
先生はおもむろに使い捨てのビニール手袋をはめ、
「では口を大きく開けてくださーい」と言う。
今回は2回目だったのでいちおう存じてはいたものの、やっぱり慣れない。(よだれが出そうになる)
小指で奥歯のさらに奥をギューーーーーーと押す。右だけめっちゃ痛い。
先生はその後もわたしの口の中をそこらじゅう押したり一定方向に引っ張ったり、時にはわたしに
「あごを右に最大限ずらして」
と言ったり、施術を続けていったのだった。口蓋を丁寧にマッサージしたりもした。

施術中のわたしの顔はきっと人生史上最大にブサイクだと思うが、そんなん気にしていられないくらい気持ちいいし、時々けっこう痛いし、なにより今まで刺激されたことのない口内が突然の来客にびっくりしすぎて、とにかく何も考えられない。


一通り終わると先生は後頭部や頬骨のあたりを触って
「だいぶ良くなった」とか「まだもう少し」とか言うんだけど、わたしにはまるでさっぱり。むしろ私の分厚い剛毛の層の上から後頭部を触って、筋肉や骨に現れる変化を本当に察知できているのだろうか?と疑問でしかなかった。



お腹のいろんな所を触って消化器官も見てもらった。

「アーティストという職業柄だとは思うけど・・・かなり情動の面でいろいろ溜まってるわね。ストレスやプレッシャーがすごいんじゃないかな」

こういうのは、どんなに規則正しい生活をしていても避けられないものらしい。先生に会いに行った日はまだ設営が始まっておらず準備の段階で、いろいろ不安があったのでそれだったと思う。
「あとは恋人と距離を置いたからかな…」と言ったら先生が
「やっぱり・・・辛かったね」と言ってくれて、そんとき自然と目がうるってなってしまった。


実はわたしの友人の中にも、整骨医に診てもらっているときに大泣きしてしまった人がけっこういる。緊張で固められていた体が一気にリラックスして、抑えていた感情が怒涛の勢いで溢れ出てくるそうだ。わたしは今回泣きはしなかったけど、気持ちはめっちゃ理解できた。。

先生は
「あなたは何でも受け入れる心があるように見受けられるけど、患者さんの中には自分にそのような(感情や精神に関して)問題があるということを受け入れられない人もいる。」と言った。そんな人もいるのか。。

骨や筋肉の不調を訴えてやって来ても、結局話すのは内面の話だったりするのは面白い。結局すべては繋がっているし、体だけ健康でも頭が健康じゃなければやっぱり歯車はうまくかみ合わないのだなと思った。言うのは簡単、実行が難しいんだけど。。




これを書きながら、わたしは医者っていうか医療関係者?(自分が全く無知な分野のエキスパート)と話をするのが好きだなーと思った。先生たちが引くくらいかなりずっとしゃべってしまうから気をつけている…

秋くらいには矯正器具が取れる予定なので、そのときまたこの先生に会いに来ようと思う。今から楽しみだ!

ベッドを受け取りに。

ズレが美しい①

ズレが美しい②


テニスやったことないけど、めっちゃテニスやってそうな自分。やらんけど。



先日偶然の出会いを果たしたベッドですが、ついに受け取りに行ってきました。
売り手の方は実はめっちゃ近所に住んでる人たちだった。車で7分。

約束の時間より少しだけ早く着いた。けどお相手の方はすでに車庫を開けてベッドをそこから出す準備をしている所だった。

「あの、ベッドを受け取りに来た牧子と申しますが…」

「やぁ!ボンジュール牧子!」

えええめっちゃ笑顔ー!
嬉しいーーー


わたしより少し年上っぽい、若いご夫婦だった。
主に奥さんとメールのやりとりをしていたのだけど、開口一番

「このわたしの大好きなベッドを譲り受けてくれるのがあなたで、本当にわたし嬉しい!
だってあなた本当にポジティブな人なんだもの!!!」

と言われた。


ぅえっ??
ポジティブ????


わたしはしばし口を開けてポカーンとしてしまった。ポジティブ????いつわたしがどんなポジティブなことを言ったのだろうか?でもそう思ってくれるのに越したことないなーと思ってよくわからずにお礼を言った。

あとで思い出したけど、このベッドとの出会いの嬉しさを簡単だったけどメールで伝えたのが、嬉しかったのかな?



今設営中の展示のパンフレットやおじいちゃんの絵葉書もついでにあげたらめっちゃ喜んでくれて、娘たちと絶対展示見に行くね!って言ってくれた。そして今奥さんは第三子を妊娠中で、その赤子誕生の日のために皆んなで家を片付けているそうだ。だから使ってなかったベッドも手放すことにしたらしい。
その妊娠を教えてくれたときの奥さんの表情とか、旦那さんの優しい顔とか、そういうのが可愛すぎて胸きゅーんってなった。ああいう幸せに満ちた表情って、しようと思って出来ないなーって、妙に納得した。そして勝手に一人でめっちゃ嬉しくなって、全然全く知らない人なのに妊娠をそうとう祝福してしまった…笑
きっと「なんでこの娘はこんなに祝ってくれるんだろう」と不思議に思ってただろうよ



不思議な出会いだったな。
人ともベッドも。

家に帰ってすぐに組み立てた。
一人でちゃんと出来たし、一人で嬉しくてずっとニヤニヤしてます。

2020-07-24

続 設営

先日火事のあったサンピエール大聖堂です。
パイプオルガンが全焼とのこと。


サンドイッチ生活が続く。
サラダ入れすぎ、パンが見えねー



今描いてるもの。の一部。
与えられた持ち場がけっこう広くて、嬉しいやら大変やらワクワクするやら。


昨日一仕事終えて、ビールをおごってもらった。
仕事のあとのいっぱいは本当においしいけど、疲労困憊していてさらに暑い日で、さらにお酒を飲むと、そのあとの疲労感が倍増する。
歩いて帰るのがやっと。

参加アーティストたちとお昼ご飯一緒に食べたりビール飲んだり、一緒に作業したり色々話したり、なんかめっちゃ楽しい。

今年のこのナント賞の展示、面白くなりそう。

2020-07-22

設営始まった

展示の設営はじまりましたー
といっても、展示自体は8月8日からなので、まだまだ時間があります。でもわたしは例によってまた壁に絵を描くので、一番乗り。また広い空間に一人。


それにしても暑い。
行儀悪いですが、机に足置いてます。すみません

作業着とふきんの乾かし。
と、ちらみせ。
初日から飛ばしすぎて、めっちゃ疲れた…。

帰り道ふらふら歩いてたら散歩中の犬がわたしと同じ速度で真横に歩いてきて、それだけで癒された。。
わたしのすぐ後ろを歩く飼い主のお兄さんを振り返ると、犬と私を見ながら優しく微笑んでくれた。




その日はとても疲れていたのだけど、
隣人のシャビと久しぶりにあった。その日のご褒美は彼に会う事であった。

野菜たっぷり入ったキッシュを作ってわたしを迎えてくれた。オーブン使った料理とか長らく作ってなかったので体に染みるわ・・・ありがとおおおおお


彼自慢の庭。
そこでデザートのアイスを頬張るわたしたち。

こんななんでも話せる友人が近くに住んでるって、ほんとうわたしラッキーだな。彼に会うと、なんかナント帰ってきたなーってしみじみ思った。嬉しい。
 
コルテオ 太陽光発電