2021-01-30

手巻き

長期レジデンスの準備のためナントに戻ってきた。高速使えば1時間半のところなので対して大掛かりな準備はいらないんだけど、なるだけ制作に集中したいのでそんなしょっちゅうは帰ってこないだろう。
 

パリから友人ら2人がナントに来てくれたので、夏ぶりに会う。共通の友人Eのお家に集合だ!夜間外出禁止なので、一緒に夕食をとると決めたら家に泊まることになる。お泊まり会、楽しいよね〜

パリから来た彼らは、コロナがなければ年中世界中のブックフェアに参加しているような人らだ。飛行機にも乗らず、こんなに長いことパリにとどまることも初めてだと言っていた。
 
情報交換は電話でもインターネットでもできるけど、やっぱ大切な友人らと直接会って話すって、人間が必要としていることだよな。フランスのコロナ新規感染者数はずっと横ばい(毎日2万人くらい 日本に比べると相当多い)。3度目の外出禁止令が噂されてたけどまだ様子をみるらしい。
夜間外出禁止のせいで18時前のスーパーや土曜日の買い物の混雑がひどい。ソーシャルディスタンスもあったもんじゃない。車で郊外に制作の材料買いに行ったけど車の運転めちゃくちゃ荒いし危ない。もう疲労困憊だ。
 
 
手巻き寿司。
Eの息子くんが巻き寿司作り出した。こんな道具があるんだね。


そのあとは大人だけで手巻き寿司に。手巻き寿司って好きな具を好きなだけ食べられるからいいよね。お米の量も調節できて最高。
手前のはEがうずらの卵とトマトで作ったキノコ。

 

2021-01-27

魔法の言葉 10年。

2月から始まるレジデンス中、私は L'Abbaye de Fontevraud(フォントヴロー王立修道院)に宿泊する。コロナで閉まってるけど、特別にスタッフの方にガイドしてもらいながら中をウロウロ。広いのなんの、開いた口が終始塞がらなかった。2ヶ月住む部屋も私が今住んでいるアパートより広い。。なんじゃこら、おとぎ話の中にいるみたいだ。。。

ここでは年中いろんなアーティストを迎えている。アートに音楽にいろんなジャンル。以前には高畑勲氏がここでワークショップや上演会を行ったり、昨年春には山村浩二氏が来仏するはずだったがコロナで残念ながら中止になったそうだ。
山村浩二氏といえば「頭山」というアニメーション。金沢美大で学生をしていたとき作品を見てかなりの衝撃を受けたのを覚えている。その時のことを考えていたら美大生だった頃の苦い思い出なんかも溢れてきて、すごい変な気持ちになった。。みんな何してんだろ。私は修道院歩いてるよ。。

そんで、この場所来た時めちゃくちゃ既視感があった。
 
あ!!!あれ?
 
私ここ来たことあるんじゃ…?と思って探したら、見つけた!

2009年の11月だから、フランス来て3ヶ月たらず。金沢美大の恩師の五十嵐先生と来ていた。11年前にふっと立ち寄っただけのところだけど、よく覚えているものだね。まさか長い年月を経て、ここでレジデンスするとはね。


これ、最近綺麗にしたらしい。


アトリエ。でも今回はあまり使わないかも、現地で制作がメインなので。

これ関係ないけど、ナントからソミュールの間で休憩中に食べた。セロリの葉をごま油としょうゆと砂糖とかで炒めたものを巻いた。予想以上に美味しかったのでモリモリ食べました。お米は再び登場、玄米。

金沢美大の五十嵐先生以外にも、青柳先生という素晴らしいお方がフランスによく遊びに来てくれていた。ナント美大で学生を始めた1年目は本当何にも成果がなくて、とにかく授業について行くのと何より生活をすること(仏語を使うこと)に精一杯であった。そんな中青柳先生がナントまで私に会いに来てくれて、私が相当へこたれている様子を感じ取ったのか
 
「古市さん、今は辛くてもとにかく頑張んなさい。1年で成果なんて出ないって。今は何もなくても、、、そう、10年後!10年後見返してやればいいのよ。」
 
と私を励ましてくれたのだった。
 
当時わたしは冷静に
 
(10年後…???すんごい先だな・・・私どこで何してるんだろ)と思いながらも
 
「頑張ります!」
 
 
と答えたと思うけど、そのときの「10年」という感じはすごく頭に残った。どうしようもない状況にいるとすぐ先のことで精一杯でパンク寸前。けど長いスパンで物事を考えられると、割と落ち着けるというものだ。
 
美術学校を卒業した後、アートと関係ない仕事を5年も続けて生活費を稼ぎながら活動続けられたし、友人らが次々に賞をとったりコンペに通ったりしても「みんなすごいなぁ」と客観的に思うだけだった。
「人と比べてもどうしようもない。私はコツコツ頑張って、青柳先生の言うように10年後どうなるか見てみよう」と思ってた。それでだめならだめ、うまくいけば続けるだけ。
 
 
そしたらあっという間に10年経った。自分が思っていた以上にいろんなところで活動をさせてもらっていて自分でも驚く。青柳先生の言葉のパワーが私を押し上げてくれたし、すごく力になったなと思う。



そういうことを考えながら2時間の運転中、今からの10年後はどうなっているんだろうと考えていた。そのころ私は43歳。どんな作品作ってるんだろ!楽しみだー
 

2021-01-25

海三昧

この間ちょっこり海に行ったよ。散歩です。車で45分。

 貝殻の山だ。
 
こんな大自然の中、周りに誰もいないのに
マスクつけて歩くのが馬鹿らしくなって、とった。

 
クリスマスでたらふく牡蠣を食べてからというもの、しばらく魚介類から遠ざかっていた私たちだが、ついに先週から解禁。
やっぱたぁあああまんない!!うんまああああい!!!
 
疲れて夕飯作りたくない時のヒーロー、餃子さまたちですー


Aのサラダがめちゃくちゃうまい。
すべてのバランスが最高でした。百点満点!

 

2021-01-24

餃子とスカーフ

今シーズン2回目の開花。初めて。
そんなことってある?
 
 
とある日の餃子弁当。
この間、久々に餃子つくろうと思ってアジア食品店に行ったら、餃子の皮のすぐ横に、餃子の冷凍が売っていた。。。1から餃子を作る手間や時間を考える暇もなく、2秒後にはすでに皮を棚に戻して餃子の冷凍をカゴに入れていた私。笑
皮から作る人もいるくらいだし、どんだけ楽してんねんと自分ツッコミ。ロックダウンとかですることなくて引きこもりだったら作るけどさ。今は時間がないのよ!
それ以来冷凍餃子にお世話になりっぱなし。あざっす
 
 
おなじみのオムライスだけど、今回は玄米で作ってみたら予想以上に美味しかった。塩っけが薄くて、塩昆布をまぶした。



今年の夏前にナントで個展をする予定なのだが、そのギャラリーの人が私とスカーフを作りたいということでプロジェクトがスタート。ローカルの生産者を支援することを大事にしている彼らはなるべくメイドイン・フランスの布を使い、そしてナントで活動している個人の印刷社と仕事をしたいと思っている。
で、この間一緒に、個人で印刷社を営んでいる人のところにお邪魔してきた。打ち合わせ第一弾。
布にシルクスクリーンをするピエールがこんなものを見せてくれた。これは2年前のKENZOとのコラボ作品らしい…!ケンゾーとコラボって、すごいね。

印刷するピエールと、ギャラリスト・エヴァの手。
これもピエールの作品。
 
 いろんなプロジェクトがあって、本当に楽しいし、嬉しい。

2021-01-23

嵐からの

この前アトリエで作業してたら、外がものすごく荒れだした。
絶対今 外 出たくない!!!
雨と風の音がすごすぎて、聴いてる音楽のボリュームを上げなければいけないほどだった。みぞれのような雹のようなものも降ってきて、本当にひどい。
しばらくしてふと外を見ると、窓際にオッさんが一人雨宿りしていた。雨宿りといっても、すでに全身どこまでも寝れていた。気休めで着ているカッパの背中にはエッフェル塔のイラストと大きな文字でPARIS。なんか好感持てる。。
 
私はすぐさま中に招き入れた。
 
 
おじさんは申し訳なさそうに足を踏み入れたけど、
「僕全身ビチョビチョやし、迷惑かけるから…」といいながらドア横でストップした。

(おっさんが去った後の足跡。)
 
彼はこの日仕事の用事でたまたまナントに来たので、今から海沿いにある自宅へ車で帰らなければいけないのだとか。 この天気の中運転するの大変そう。
 
今回の話にたいしてオチもないのだけど、私はこうして知らん人をアトリエに招き入れることはほぼ無い。けどなんかこうして知らん人と世間話をするって、コロナがやってきてから少なくなったなーと思った。しょうもない世間話をしただけなのに、なんかよかった。ただ単におっさんが良い人だったからかもしれないけど。
 
 
話変わるけど
私のアトリエから見えるVincent Maugerのこの作品。
私は彼の作品が大好きである。ちなみに彼もAckermanのアーティスト・イン・レジデンスをした一人。尊敬するアーティストと同じプログラムをこなすって、本当に光栄なことだ。毎日アトリエから見てたこの光景も、少し違って見える今日でした。
 

朝ごはん会

久しぶりにJとXのお家に遊びに行った、朝の9時に!
夕方には家に帰らなきゃいけないのなら、じゃあどうせなら朝ごはんを一緒に食べようとなった。最近街中にオープンしたMaison Bécam (5 Rue des Carmes, 44000 Nantes)のNoeud sucréというパンにどハマりしており、それを彼らに食べさせたかったので持って行った。
 
見た目何気ないパンに見えるけど、クロワッサンをより甘く・たくさんのバターでジューシーにした感じと言えば伝わるだろうか。そしてサクサク。割と重いがちなみにクイニャマンより少し軽い感じだ。これで1.3€(150円くらい?)は安い!
 
 
朝から喋るすぎる!!!でもしょうがない。彼らに久々に会えた喜びが抑えられん!

あっというまに時間は過ぎ、仕事もあるのでバイバイした。
 
 
 
虹が出てました!
 

いいことありそう。
それにしても朝ごはん会はいいね。

 

2021-01-21

テスト

数日後ソミュールへ車を走らせた私は、めちゃくちゃ緊張していた。絵の具を試したといっても、実際本当にうまくいくのかどうかなんて誰にも分からない。
 
2時間の道のりがめっちゃ遠く感じる。
 
 
 
 
着いたのが14時。
担当の人とプロジェクトの詳細を 一緒に確認。
書類審議の際、私の提案は高評価されたものの「技術的な面で本当に実現可能なのか?」という問いかけが出たそうだ。ところがたまたま審査員の中に一人私のことをよく知る人がおり、その人が私をごり押ししてくれたそうだ。その人は最後に言い切ったらしい、
 
「牧子に不可能はない!」

と。。。
 
 
 
( ꒪⌓꒪)
 
それを聞いて口があんぐり開く私。
私に不可能はないなんて、シラナカッタ( ꒪⌓꒪)
ナポレオンじゃあるまいし!!!
 



こんな話しを聞かされた上での、絵の具のテストなので、どれだけやりにくいか皆さんご察しがつくでしょう。
 
失敗出来ないYO!!!
 
 
「ここ、牧子の好きなように使っていいから!」と用意された場所は倉庫、とても広い場所であった。そこから2時間ほど、もう必死になって絵の具を試すわたし。死に物狂いだよ。
 
一通り終わって写真を撮る。
担当者の人が満足そうだったのでちょっと安心するも、いちおうこのまま数日置いて変化を見る。また緊張しながらの数日。。辛い。
 
結局ナントに向かって車を発進させたのが17時半。夜間外出禁止のための特別許可証も作ってもらって、のんびり運転して帰ってきた。くたくただった。。
 
 
 
 
そして数日後、やっと正式にオッケーの返事をもらったのでした。
 
公に結果が出れば安堵すると思っていたのだけど、自分自身、事の大きさをよく分かっているからか全然安堵出来ずにむしろ前よりストレスを感じている。でもそれは悪なストレスではなく、未来につながっていく良いストレスである。

提出した企画書の中でわたしはこのレジデンスをすることは私にとって「挑戦 défi」である、と書いた。今までの受賞者はみんな40代とか経験が豊富なアーティストたちで、私はかなり若い方だ。しかもこんな大きなプロジェクトをやったことがない。だからこそ挑戦なのであり、リスクも伴う。
 
そんな私を選んでくれた審査員の方をとても「粋」だと思う。ちなみに他のアーティストの企画は遥かに実現しやすいものだったらしい。
 
レジデンスは2月から始まるので、もう本当にすぐ。わくわくが止まらないし不安もベラボーにあるけど、そうじゃなきゃ面白くない。
 
頑張る!
 

15㎏を抱えて

絵の具テストのため、ホームセンターに材料を買いに行った。
 
その日はたまたま車をAに貸しており(彼の車は修理中)そして彼は仕事中。ホームセンターには徒歩でいくことにした。本当は翌日車で行くことも出来たのだけど、なんだかいてもたってもいられなくて、結局アトリエから片道40分歩いた。 
 
私が絵の具に使おうと思っていたのは粉の石灰。それを水に溶かしてそれに顔料を混ぜて使うものが、屋内・屋外どちらにも有効だという話をいろんな人から聞きつけたのだ。
着いて店員さんに聞く。
 
「石灰買いたいんですけど」
 
「石灰は、向かいに行かないとないよ」
 
 
そう、このホームセンターは二つに分かれており、大きな店舗とその向かいにもう一つ。車で直接侵入し、トランクに商品を詰めてそのままドライブスルー的に会計をする場所がある。セメントとかレンガとか、そういう大量に重いものを買う人がいく場所。
 
私はしぶしぶそちらへ行く。
徒歩の人は私だけだ。
 
そこで見つけた店員さんに石灰がどこか聞く。
 
 
「え?石灰で何するの?」
 
「絵の具を作るんです。外壁とかにも有効って言われてて…」
 
「本当?僕このお店で10年くらい働いているけど、一度もそんなことお客から聞いたことないねー」
 
「ネットにいっぱい載ってますよ。これを買う人らはきっとみんなもうみっちり下調べしているんですよ。だからオジさんに聞く必要ないんじゃないかな」
 
「そうかもね。で、きみ徒歩で来たの?ここにある商品は重いものばっかりだよ」
 
「4キロの石灰が買えると、このお店のホームページで見たんだけど」
 
 
店内うろうろ
 
「これか?これは君が探しているものとちょっと違うから、どうかな。君が探しているものは外に置いてある。15キロもするけど」 


まーーーじーーーでーーー



いちおう大きなリュックサックは持ってきてたから可能だけど、15キロってけっこう重いよ。。しかも40分徒歩。
でも私は手ぶらで帰るわけにはいかなかった。決意する。
 
「買います!」
 
あわよくばバスに乗ってアトリエまで行こうと思っていたけど、バス停で調べたらすんごい本数少ないしめっちゃ遠回り。40分歩いた方が早かった。
 
 
 
 
で、
 
 
 
 
め っ      ちゃ 後悔した。。。
 
 
 
 
 
 
 
相当重い。
なんじゃこら
 
肩が痛いし終始泣きそうだった。
なんで明日車で来ることにしなかったんだろ。
でもこの日何もしないっていうのは耐えられなくて。ソミュールにテストしに行く日まで日数が全然なかったから、少しでも事前にテストせねばという気持ちがあったから、辛くなったらそれを考えるようにした。本当に自分は馬鹿者だなーと100万回思った。
 
 
 
 
それでなんとかアトリエに戻って、その日からせっせと絵の具作りのテスト。
 
 
 
続く

審査通ったー

この間話していたコンペ(?)に通りましたー!やったぁぁぁ!!!
 
公にはアーティスト・イン・レジデンス なのだけど、実際は立派なアート・プロジェクト。一次審査に通ったあとは、ファイナリスト4名が各自現地へ食事に招かれ、場所を一緒に下見。そしてプロジェクト企画の書類提出、審査という流れでした。
 
場所はCave Ackermanというところ。Saumurソミュールにあるスパーリングワインの老舗ワインメーカー。
 
9月、知り合いの人から「このコンペに応募しなよ!牧子の作品が絶対ピッタリ合う!」と連絡をもらいました。応募提出期限まであまり日がなかったのだけど、場所があまりに特殊なので一度行って見なきゃと思い、旅行がてら遊びに行ったのでした。
 
実際に足を運んで仰天!!!洞窟があまりに魅力的だったので立ちすくんだ。絶対に何かここで作りたい!と胸が高鳴ってしょうがなかった。
という感じで、このプロジェクトに関しては9月からずっとあーでもないこーでもないと考えていたものでした。


写真じゃ、場所の素晴らしさが全然伝わらないのが残念。本当に壮大で神聖な場所だ。
湿気がすごく自然の光も無い。ゴツゴツしたTuffeauという石灰土で囲まれた異空間。非典型的な空間で展示をするのは本当に本当に本当に難しい。だから使う絵の具も特殊なものでなくてはならないし、光の使い方も考えなければいけない。洞窟の意味と自分の作品をどう呼応させていくか。。ちなみに作品は3年も保存(!)されるので、強固な設営が必須。




たくさんの人に迷惑をかけながら、知恵を借りながら、Aの助けを借りながら、企画書を練っていったのです。
 
提出日前日、あまりにストレスが高まって嫌になり、Aと気分転換に一緒に映画を見ることにしました。1本目、本当に何気なく見た日本映画に、私のプロジェクトで要となる鏡、鳥居、鬼、といった要素が次々出てきた。。あまりに偶然過ぎてAと目を丸くした。悪寒がしたくらい。
そして2本目、これまた偶然選んだ映画に、Ackermanというまさにレジデンスの名前の人物が登場したのでした。これには驚きすぎて私叫んだ。
 
「うそやん!!まじで!!!」

 この時、自然と私絶対このレジデンスやれって言われてるんやわ、と思った。お告げ的な。(今思えば大げさだったけど、でもそう考えでもしないとストレスに押しつぶされそうだった。どうしてもやりたくてたまらなかったから)
 
 
 
そして提出日の時間ギリギリ15分前に企画書提出。
緊張で張り裂けそうな心臓を抱えて1日半過ごしたあと、担当者から電話がかかってきた。
(このとき私はもう落ちたと思っていた)
 
「牧子のプロジェクト、すごく評価が高くて第一候補になりました!」

😭😭😭😭
 
えええええええええええ!!



「けど、第一候補って?つまり私で決まりということではないの?」

「そうなんだけど、牧子が使用するといっている絵の具が本当にTuffeau(石灰土)に適しているか、上手くいくか、試してもらって、それがOKだったらそれで最終決定する、ということになりました」


「!!」



そうなのだ。私はいろんな人に聞きまくって、湿度の高い場所でも有効な絵の具の作り方を指示していたのだけど、実際に試したことはなかった。
このプロジェクトはそもそも大きな予算がついており、そう簡単に失敗されては困るのだよね、だから審査員たちは私に「一度現地に来て試してみて」とお願いしたのだった。


続く

2021-01-19

散歩

 外出禁止になる18時ギリギリまでお外を満喫する。
風を切る感じ、爽快すぎる!!きもちいい!!
 
スケートボードで先を行くAを必死で追いかけていたら、いつのまにやら見事なまでに犬の💩を踏んでいた。なんてこった…
足を変えながらキックボードに乗っていたので、足を乗せる部分にも💩が付いてしまった。どうするこっちゃ。Aの教えで、水たまりを発見しては二人で洗うという、アホらしくも面白い夕方の散歩であった。道行く通行人にジロジロ見られ、わたしはたまらずに爆笑してしまった。
 
そもそもわたしが気付く前にAが「牧子!足!Nooooooon!!!」と気づいたっていうのも笑える。どんだけ足元見ないで必死に漕いでたんだ自分。笑
 
ちなみに踏んだ足は左足であった。フランスでは左足で踏むとラッキーと言われる!


 
 
18時を少しすぎるまで外を満喫した。
気持ちよかったー



日本で生まれ育ったわたしは、規則とかを守るのはそこまで抵抗はない。今までの政府の取り決めも真面目に守るし(自分なりに守っているつもりだし)、マスクだってちゃんとして生活している。でも18時からの外出禁止はけっこう精神的に辛い。早すぎる。
マスクもうんざり、早くとって歩きたい。いつまで続くんだろこの生活…
 
家の植物は元気。

2021-01-18

鶏肉との戦い

この前Aが美味しい鶏肉を買ってきた。
張り切って料理し始める彼、すごいいい匂いが部屋中に充満する。
 
街中の中国系・ロシア系?で買ってきた今まで見たこともない調味料をふんだんに入れる。ひたすら美味しそうである。お腹がひたすら減る。

さぁ出来た、食べよう!
と、2人で肉を口に入れて
「美味しい!」と笑顔でモリモリ食べれたのは最初の10秒だけだったであろうか。

う・・・・
長らく避けていたこの感覚。。
刺すようなこの感じ。
か、、からい。

火を噴くように、辛い、
からすぎる!!!


でもこの辛さが美味しいっていう感覚もある。幸い鶏肉の美味しさは見失ってはいない。
だから箸は止まらないのだけど、顔中から汗が出てきてすぐさまAもわたしもTシャツに。
 
段々と食べることが「戦い」のようになってきた。
舌が痛い。サラダと水が神々しく見える。
2人で飲んでいた水が無くなる、無くなる。
 
 
↓サラダを混ぜるやつ

結局なんだかんだ言いながらも、長い時間をかけて食べきった。
食べきったのだ…

空になったお皿を見て、私たちはお互いの顔を見た。
 
長い沈黙。
 
 
「なんか、疲れたよね」
「うん」 

「ちょっとさ、横になろうと思うんだ」
「うん」


片付けする気力も無く、私たちは辛い鶏肉に疲労困憊、ロックダウンされたのだった。時刻は21時30分。寝るには早すぎたが、わたしはそのまま朝までぐっすり眠った。

2021-01-17

リシャール・ピナス

今日はすごく天気の良い日曜日だった。
Aと市場に魚介類を買いに行ったあと、Aの友人であるリシャールの家に寄った。彼の家には日本語の彼のライヴポスターが貼ってある。
 
リシャール・ピナス様!降臨!
 
Aはリシャール・ピナスという音楽家と一緒に仕事をしている。パートナーであり、一緒にアルバムを出したりしている、大事な友人である。
 
わたしは音楽に疎いので全然知らなかったけど、リシャールはかなり有名人で日本にも10回くらいツアーをしに行ったことがあるとか。もう70歳になるけど超元気で音楽活動も精力的に行っている。
Aと一緒になってからというもの、フランスの音楽通の友人にAはリシャールと音楽をしていると言うと、まじで!すごいね!と言われる。
 
初めてリシャールに会った時
「僕Merzbowメルツバウと仕事してたんだよ」と言われて、わたしは「え!!あのメルツバウと!」と驚いた。(というのもMerzbowはXiu Xiuと一緒に仕事をしていたので流石にわたしも知っていた) 
 
好きな人同士が世界を通してだんだん繋がっていく。すごい面白い!
 
 
哲学書や音楽の機械で溢れかえっているリシャールの家だけど、ふと目線を落としたらこんなものが!なにこれ!宮島・広島トランプ!!
 
彼はコロナの影響をもろに受けており、コロナがなかったら今は中国とアメリカでツアーをしていたとか。
牧子という名前をもじって「Abricot(仏語でアブリコ。アプリコットの意味)」と呼ばれたり。なぜかわたしの顔を見るたびに英語で話しかけてきたり、彼の家に滞在中はずっと笑いっぱなしだった。


 
コルテオ 太陽光発電