2022-05-05

お年寄りの方々との交流

自然が豊かな Les-Ponts-De-Cé。
ここLes-Ponts-De-Cé市でアーティスト・イン・レジデンスが始まってから、私は市の計らいで、お昼ご飯を老人ホームでご馳走になっている。老人ホームというとちょっと語弊がある。レジデンシャル・ホーム?と言った方がしっくりくるかもしれない。
自力で生活出来るものの孤独を感じているお年寄りが集まっており、それぞれキッチン・浴室付きの個室に住んでいるが、職員が夜見回りをしてくれたり、緊急時ボタンを押せば職員が駆けつけてくれる。何より毎日お昼は併設しているレストランでみんな揃って食事をとるので他人との交流がある、ということだ。イベントもいっぱいある。
 
私はこの施設に「地元の人との交流ができるし、是非お昼ご飯を食べに来ては」と招待され、今週だけお世話になることにしたのである。もちろん断ることは出来たし、市の担当の人も
「牧子、無理しないでね。断ってもいいのよ、自分一人で昼食食べてもいいんだからね」
と言われたのだけど、普段の生活でお年寄りの方と交流することもないしこれも経験かなぁと思って承諾した。
 
 
初日、市の担当の方と一緒に伺った。
 
食堂につながる廊下には、介護歩行器(?)が20個ほどズラリと並んでおりビックリした。そして食堂に足を踏み入れると、それはそれは大勢のお年寄りがこちらを一斉に見るではありませんか!
聞くと入居者は全部で95人。
食堂には外部からの人(面会に来る親族など)もいるとかで、おそらく100人近く。みんな白髪で、異様な光景であった。彼らがほぼ全員、無言でこちらを凝視する。平均年齢はおそらく80歳くらい。
 
 
私はおののいて、ちょっと後悔した。あまりに自分がアウェイすぎた…。
おそらくわたしと一緒に居た、市の職員の方も同じ感想を持ったのではないだろか。
そのあと施設の館長(といっても若くて感じの良い素敵な女性)やスタッフと一緒に、私たちは隅っこの席で食事を頂いたが、スタッフのみなさんは非常に面白くユーモアに溢れ、生き生きしていた。ご飯はとても美味しかった。
 
館長は「じゃあ一度みなさんに牧子を紹介しなきゃ!」と言い、マイクを持って私を促し、一緒にみなさんのテーブルを徘徊した。
 
館長はマイクで、それはそれは流暢に言う
「みなさーん!こちら、これからお昼ご飯を共にする、アーティストの牧子でーす!よろしくねー!」 

横で私、めっちゃ複雑。。
 「こんにちは!はじめまして、牧子と言います」を100回くらい反復した。

正直、これ、なんの罰ゲームなんだ…と思った(笑)
 
じーちゃんばーちゃんは私をすごいジロジロ見るし、無言だし。でもよく考えたら当たり前だよね。知らないアジア人がいきなりやってきて、すぐに反応できるはずがない。
そんな中、私をすごく歓迎してくれる人もいたりで、助かった。
 
とりあえずこのめちゃくちゃ不思議な時間は終わった。笑
 
 
 
スタッフの中に研修生が一人おり、彼女がすごく感じの良い人で話しやすいので、今週私の付き添いをしてくれることになった。(彼女、まじ神)
 
 
ちなみにこれ昨日の食事。前菜、主菜、チーズ、デザート、コーヒー。味付けは少し薄めにしてあるが、バランスのとれた美味しい食事です。
毎日違う人とテーブル一緒になり、彼らの話を聞く。昨日は若かりし頃2年モロッコで兵役を受けた男性が話をしてくれたし、今日は超元気な姉妹が女性の権利の話をしてくれた。思ったより楽しくて、食事中みんなで爆笑しまくりなのだが、やっぱり何より毎回緊張する。。
 
こんな経験あんまり出来ないよね?

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