2017-07-02

この感じ。

油絵を描いている時によく起こることなのだけど、
2色以上の絵の具が混ざり合う感じ、ツンとしたテレピンの匂い、キャンヴァスに絵の具が乗って、それを筆の毛先が画面全体に移動させる状態を見るのが、たまらなく好きです。その間じわじわとドキドキがやってきて、どうしようもないワクワクが襲ってきたりする。いつもではないですが、時々。その数秒後、失意のどん底に蹴落とされることもあるのだけど。笑


2007年の3月、初めて日本を出発してボルドーに1ヶ月語学勉強をしたとき、私は大学2年生だった。金沢で毎日絵を描いて過ごしていたのに、その1ヶ月間絵の具に全く触れなかった。絵を描いている暇があるならフランス語勉強しなきゃって思っていたし。
国をまたいで、異なる言語に触れ合い、世界各国の新しい友達を得て、あっという間の1ヶ月。泣く泣く日本に戻り、夢うつつのまま、以前のように大きなキャンヴァスに向かって絵を描き始めた。チューブから絵の具を出して、触ってその匂いを嗅いだとき、何とも言葉にできない安堵感が身体中を襲ったのを覚えてる。
「あ、私これ本当に好きなんだなぁ」


ボルドーでの滞在があまりに楽しかったため、少しノスタルジックになっていた私だったけど、絵の具の感触を確かめてすぐに「いや、私は絵を描くのだ」と思ったのでした。


アートをやっている人々には、みなそれぞれ違う媒体を扱っていても、こういった物理的な小さな喜びがあるはず。これってすごく大事だと思うのです。
そういうのが感じられるうちはまだ制作が続けられてありがたいことだなと思います。っていうかこの喜びがいつか無くなることってあるのかな?



なんか偉そうに色々書きましたが、思ったことを素直に言葉にしてみました。

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