2023-08-03

深い河

天気が良くて、ちょっと早めに目が覚めたら海に行く。
 見よ、この青い空!
毎日短パンにノースリーブ。。
それか軽いワンピースの毎日。
こういう夏らしい格好で過ごすのはなかなか気に入っている。夏を満喫している!という気になって良し。



ジェレミー兄とその彼女が旅行でボストンへ旅立った。いいなぁー
 
 
 
ところでつい1週間前モンペリエに遊びに行ってた私ですが、滞在中予期しないことが起こった。マダムSの義妹にあたる人・Mさん(67歳)が突然、持病が悪くなり入院。元々癌を患ってた彼女だが、何度も手術して、ここ数年盛り返したばかりだった。私は彼女に昨年会っており、パワフルな女性でかっこいいなと印象深かった。現役の頃はジャーナリストで世界中を飛びまわっていたそうだ。
彼女が緊急入院し医者から言われたのは「余命数日」という衝撃の事実。彼女のパートナーであるマダムSの弟はパニックに。マダムSも、その知らせを電話で受けて涙し、わたしはこんな大事な期間に滞在してしまって複雑な立場だった。
 
容体は悪く、回復の兆しはない。マダムSもムッシューPも落ち着かない中、私は元々予約していた電車に乗ってニースに戻ったわけだが、 電車の中で「そういえば本を一冊持ってきていたな」と思って開くと、なんとまぁ驚いた。磯部という老人の妻がとつぜん癌で余命宣告を受ける、というところからスタートしたからだった。
あまりにタイムリー過ぎて、ここ一番の集中力で読み進めた。
 
本は遠藤周作の「深い河」。
モンペリエに出発前、引っ越ししてから全然片付けきれてない段ボールの中で「あ、これまだ読んでないかも」という理由だけでテキトーに選んだ本。
 
マルセイユで乗り換え。
とにかく貪るように読んだ。
それぞれの登場人物に自分と重なるところもあり、しかも信仰について、宗教についてそれぞれが思いをぶつける場面がある。妖怪とか描いていると信仰とか神話の話題はどうしても避けられず、私が普段から大事にしているテーマ。
遠藤周作自体が「キリスト教と日本人」を生涯にわたってテーマにしていたなんていう情報は露知らず。おそらく誰もが知っているであろうこんなことも知らずにモノ作りをしている自分を少し恥じたが、知らなかったものはしゃーない。今知れてよかった。
 
本は読み切れずニースに着いてしまったので、帰ってゆっくり家で読んだ。 とにかく興味深く読んだ。あっという間。
 
 
しかしなんでこの本が私の本棚(今は段ボールの中だけど)にあったのだろう。まさかと思ってメール歴を調べてみると、2017年に自分でアマゾンで注文して日本の実家に送っている。。。それを帰国した際に持って帰ってきているのだ。
なんとまぁ自分で買っていたとは。誰に勧められたんだろう、不思議なもんだ。まさに2023年の今の自分が読むべきだと知っていたかのようだ。それか、まさに遠藤周作が宗教をテーマに作品を書いているのを知ってて注文したか。自分のことなのに、全然忘れてる笑
 
 
そして残念なことに、Mさんはそれから1週間後に亡くなったとマダムSから連絡を受けた。彼女は輪廻転生し、いつか私の前に現れるだろうか。

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