2012-10-05

某日系企業

少し長いです。




某日系企業の人(もちろんフランス人)から招待展示のお仕事を頂いた。
それは経営者を集めた会議や講演をする場で日本人アーティストを招待して展示をしてもらおう、という意図らしかった。
場所は某日本企業のモーターショー(高級車限定・・・)の店内。


彼らは人伝いに私を見つけたようだった。
そう、単独展示。



連絡をくれたその時は、ちょうど私がベルギーに行ってた時。担当者は海外にいるにも関係なく電話やメールで返事を催促してきた。



私は肯定的なお返事をした。




で、ナントに戻ってから一度下見がてらにその担当者の方に連れられ展示会場を下見したのだ。みんなスーツにネクタイ、冗談言ってもなんか反応鈍いーーー(*o*)
会場は金ぴかだし。車も高そう。




それはさておき 数週間後に迫る展示に向けて色々構想を練る。
会場では壁に穴を開けては行けないので イーゼルが必要。
(→美術学校に連絡。仲良しのアンドレに必死でお願い)
やはり大きな作品を展示したいので、トラックが必要
(→担当者に連絡)


「作品のサイズは幅・高さ共に160cmほどあるので、普通の車には入りません(絵の枚数も割に多いし、イーゼルだってあるよ)」
というメールを担当者に送る。
私のアトリエの住所も、美術学校の住所も送って経路も完璧。



 (^o^) 完璧!


が、





それからというもの 返事が無く、


私はその間、彼らがトラックか何かを準備してくれてると思っていたのだ。
先程のメールを早めに送ったのも、搬入の日程をちゃんと打ち合わせするためだし、大体1時間そこらで終わるわけないじゃないか!





当日の4日前くらい、 おそるおそる メールする



「前回のメール、ちゃんと届いてますか・・・??(おーい)」

「はい、ちゃんと届いてますよ。16時に電話してくれますか?」



(・_・) 私、携帯でインターネット出来ないの。
貴方みたいに一日中インターネットしている人間でも無いの。
私がそのメールを見たのは、翌日土曜日の昼。



そう、もちろん、フランス人は土日に仕事をしません!


あぁ、もう頭に来て(今思い出しても頭に来る・・・!)
「私にだって予定というものがあるし、第一 大きいサイズの作品を運ぶための車も用意出来ていないんでしょう?私が前もって貴方にメールをした意味、分かってるんですか?こんななら、私はこのプロジェクトに参加出来ません。私はアマチュアじゃないんです。他の展示の予定だってあるし、展示する作品も限られてくるんです」
とハッキリ言ってやったのだ。


そしたらこの担当者、月曜日の朝に電話をかけてきた。朝8時半・・・ちょっと早すぎるよ。なので出られなかった。
「今すぐ電話をください!そもそも今さら参加しないなんて・・・、僕は400人以上に招待状を送っているんですよ!?それに もしあなたが絵を運ぶ方法が見つけられなかった場合、僕の車で搬入を手伝うって言ったじゃないですか!」



私には運送する手段がないって最初から言ってたジャン。。。



普通の車には(およそ)120cm以上の絵は入らないんです。わたし、これでも長いこと絵を描いてるんだけど(・o・)搬入のことくらい知ってる。 しかもそれはちゃんとメールで言ったはずだし、全然メール理解してない!前日に搬入なら、どんな風に、午前か午後か、、、学校との手配もあるし・・・(あぁ、もう書いてるうちに呆れてきた。。。)





それから電話での威嚇勝負。
(前は出来なかったけど今なら出来る!)

私はそのとき友人宅 (しかもRedonという離れた所)に居た。これだけ舐められて、展示なんかできるかーーーー!と。電話で担当者と話し合う。





最終的に分かったコトだけど、
彼ら(担当者側)に、アーティストを招待するに当たって
費用を使うとか特別な用意が必要だとか そういう考えが全く無いのよ。

日系企業が集まる場所だから 彩り豊かな絵画を飾って、そこに日本人の女の子がニコニコしてれば、彼らはそれで満足なのだよ。


だから展示の質だとかは どーでもいいのだ。




もーーなんか、疲れたよ わたしゃ・・・

結局展示予定の無かった小さなサイズを 友人に頼んで車を出してもらって展示。イーゼルも無いから、車のトランクに飾るという。。。なんたる失態。でも彼らは喜んでいた。15分で終わる。早っ




ほんっっっとに、この仕事やるんじゃなかった。
仕事、といっても勿論タダ。そう、アーティストは無料でデコレーションをしてくれる存在なのだ彼らにとっては。




ちゃんと、仕事を受ける時はもっと考えなきゃ。
焦って何でもかんでも ok しないように。


アートの国フランスなんて、こんなものなんです。
アーティストの身分なんて。





その後大好きなルーシーに全部をぶちまけ、一緒に激怒し、そして彼女は一言私に言った。
 「あなたはプロとしてやってくんだから、こんなクソみたいな仕事今後一切受けちゃだめよ」



多分。
立派に絵を展示して、その当日経営者なるお金持ちのおじさまとお話をしていたら何枚か絵が売れたかもしれない。それはそれでお金を得られるチャンスだったかもしれない。それはそれで貴重な有難い機会だったかもしれない。
けれど、世界的に名の知れた大きな企業に、これだけ軽くあしらわれた後 大事な作品と引き替えに、数万円を得るためだけのサービスは、私は出来なかった。




その後担当者からは何のメールも無いし、会合がどのように行われたのか絵はどのような評価を得たのか、私は知るよしもないのでした。

2 commentaires:

AMICA a dit…

アーチストへの対応は どこも同じだね~
きっと 相反する価値観なのだろうね。
人類史的に見たら きっと どれも重要なのに
難しいね。

わたしもそんなことばかりだよ。
難しいね~。。。(遠い目
好い人と出逢っていけると 好いね。

Makiko Furuichi a dit…

アミアミ!コメントありがとう^^ オタワ記読んで頑張っているアミアミにやる気をもらうよ〜〜!!

そうそう、
その担当者に色々言ったけど、結局彼が私の思うことを100パー理解する時は一生来ないんだと思う。。。本当に残念。

それにしても、前に比べて
ズケズケと意見を言ってやったこの感じは
フランスのずーずーしさ教育のお陰かも:)
たまには理解しがたいこの教育も、少しは身について来ているのかな。。。

好い人、出会えるといいな・・・!

 
コルテオ 太陽光発電