2020-08-17

シャチョーの息子

シャチョーの息子が、一晩だけパリに戻って来た。

彼はここ2週間ほどガールフレンドの家族と一緒に、ブルターニュ地方へヴァカンスに行っていた。そして翌日から、南仏にいる自身の家族に合流する。青春真っ只中の高校生(16歳)の夏休みは忙しい。(彼はその前にもおよそ1ヶ月間スカウトに参加していた。日本ではボーイスカウトとか言うけど、もちろん男女混合です)


彼がヴィーガンだというのは知っていたが、彼のためにいざ昼食を作ろうと思うとなかなか難しい。野菜中心の簡単なサラダ的なものになってしまった。

海藻のトースト、コロッケ(+ネギととうもろこし入り)、キャロットラペ、大根の漬物、アボカド、アルファルファ、メロンにプチトマト。

彼は数年前から菜食主義者だったけど、外出禁止期間中にヴィーガンになる決意をした。肉や魚を食べないと摂取できない栄養素なども全て知っており、その取り方も熟知していた。私はヴィーガンについての知識がほとんどないので偉そうなことは書けませんが、とにかく動物が無作為に不条理に殺されるのを減らしたい、と言っていた。彼は私以上に知識があり、なぜ今ヴィーガンなのか、現状などを色々語っていたけどそれを代弁するには荷が重すぎる。もっと私自身調べてから書きたいと思う。
そして学校での友達との会話のテーマはもっぱら「政治」と言っていて、私はおののいた。。

私は彼の父親の友人とはいえ、知らない人と時間を共に過ごすのは億劫なんじゃないかと思っていたけど、かれは自分の部屋に篭ることなく、帰宅後はずっと私と一緒にリビングにいた。ご飯も一緒に食べ、いろんな話をした。彼の通う高校には医者やエンジニアを目指す(いわゆる)将来有望な子ばかりが集まっている。しかし息子は「彼らは自分の頭で考えない、政治に全然興味がないんだ。つまらない」と言っていた。16歳だった頃の私は、彼と対等に話は出来なかっただろう。
決して一つの考えに固執することなく、どんな話でもまず聞く。自分の部屋のドアも常に開けっ放しという彼のオープンな態度に、驚いたのだった。ガールフレンドのことをma copine(いわゆる「彼女」)ではなく常にmon amoureuse(私の愛する人・恋人)と言っていたのもなんかびっくりした。

もちろん国や文化や人種が違うとはいえ、フランス人の思春期の子が全員こんな風なわけないよな。。と思い、私はいろんな意味でたいそう感心した。ちなみに彼はボーイスカウトをやっていたからか、食後の片付けを何も言わないでも勝手にしてくれた。


せっかくなので、夜は一緒に外にご飯を食べに行こうと思った。彼のゴットファーザーは私の友人でもあるニコラなので、ニコラを誘った。するとニコラは「じゃあ彼のゴットマザーも誘おう!」ということで、結局4人で近くのレストランへご飯を食べに行くことになった。

ウェーブのかかった美しい栗色の髪は、ついこの間まで超ロングヘアーだったそうだ。だから彼女と街を歩いていると「レズビアン!」と揶揄われたこともあるのだとか。でも気にしない。ちなみに爪には見事な赤紫のネイルが施されていて、それがまた似合う。
彼は古着屋に行くのが好きで、この日もビビッドでハッとするようなオレンジのズボンに、自分で刺繍を施したというムーミンのTシャツ、さらにはちょっと大きめのデニム生地のジャケットをガバッと着ていた。あんたかっこよすぎ・かわいすぎ。


私と16歳。
ちなみにベレー帽は、この写真を撮ってくれたニコラがくれました。ありがとー!

どうやったらこんなにいい子が育つんだろうか。

いや、「いい子」という言い方は変だ、「たくましい子」というべきか。


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