え、タコ?
タコネコ?
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先日、とあるお家に伺う予定があった。
そのお家は、今まで一度も降りたことのない地下鉄からすぐ近くにあった。約束の時間より10分ほど早めに着いてしまったので、たまたま近くにあった観光名所の入り口を時間つぶしでブラブラしていると、警備員のおっさん2人組に声をかけられた。
「マドモワゼール、入り口はあっちだよー」
この日の最高気温は37度だったので、とにかく二人のやる気は3%くらいに見えた。日陰に腰をおろし、涼んでいるところだった。おっさん、と書いたが、よく見ると一人はよく日に焼けて顔が真っ赤になった若いお兄さんと、もう一人は世界中の誰しもが首を縦にふるほどのザ・おっさんであった。
私「あ、いえ、別に中に入りたいわけじゃないんです。ただ約束の時間までちょっと時間があるからブラブラしてただけで。」
おっさん「そうか、きみ、観光客か?」
私「そうとも言うし、そうでないとも言う(笑)。でもナントに住んでいるので観光客と言えますね」
おっさん「ナントか!いいところか?」
私「多分。他の場所に長いこと住んだこと無いから知らんけど」
お兄さん「コロナ少なくていいんじゃね?」
私「そうかも笑」
おっさん「姉ちゃん、学生さんか?」
でたーーーアジア人あるある!本当に若く見られる。。まさか33歳になってまでそんなこと言われるとは思わなかったー。不思議とあんまり嬉しく無いけど。でも33歳の学生なんて世界中にごまんといるから、深く考えない方がいいのかも。
私「むかしね。。もうナントに11年住んでるよ…」
おっさん「11年!そりゃフランス語うまいわな。姉ちゃん、中国人か?」
私が「日本人だよ〜」と答えた瞬間、おっさんはすごく嬉しそうにこんなことを言った。
「僕、日本人めっちゃ知ってんだよ!」
その瞬間、台本があったかのようにわたしと横にいたお兄さんは顔を見合わせ、2人して口角はあげたまま口をぐにゃりと曲げ、目を細めて笑いながらおっさんを見返したのだった。お互いの頭の中にはこのフレーズが。
(絶 対 う そ や ろ !)
おっさんはそんな私たちを見てガハハハ!と笑ったが、負けじと続けた。
「はははは!!なんやその目!信じてないやろう!
いやね、僕アルジェリアから来てんけど、サハラ砂漠あるっしょ?知ってる?僕がまだあそこにいたころ、日本からたっくさんの企業がやって来てやね、でっかい建物バンバン建てとったわー。日本人の勤勉さといったら、本当にびっくりしたよ!あんたらすごいわ。よー働くし、さすがや。絶対手を抜かん。きっちりしとる。あんたらはすごい!」
私はそのとき、つい数日前にたまたまネットで見つけて読んだこの記事を思い出していた。
https://m.job-list.net/articles/195
イラクとアルジェリアでは全然場所は違うけど、おっさんから聞く現場の話は、なんだかちょっとだけ似ている(気がした)。おっさんが向こうにいた年代なんて知らないし深掘りはしなかったけど、日本企業がガンガン外に爪痕を残していた時代がこんな風に人の記憶に残っているのか、、と思ったのだった。おっさんが生きたアルジェリアも悲惨な歴史がたくさんあるだろうに。こんな愉快なおっさんは素晴らしいなと思った。そうでもしないとやってらんないのかもしれんけど。
私はおっさんに正直に答えた。
「日本人は全員が勤勉ではないし、怠け者もおるし!っていうか、人次第やって!」
でもおっさんは全く引かない。
「いいや、あんたらは勤勉や!」
私「人次第!」
おっさん「いいや!勤勉や!」
人次第!勤勉!・・・・
なんの漫才やねん、と脳内一人つっこみを入れついに3人で爆笑した。
一区切りがついたところで「じゃ、私はそろそろ約束があるから、行くわ」と行っておっさんとお兄さんにバイバイした。
なんであんなに話しやすかったんやろ、楽しくてなんか不思議な時間だった。おもしろ。
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