2021-01-27

魔法の言葉 10年。

2月から始まるレジデンス中、私は L'Abbaye de Fontevraud(フォントヴロー王立修道院)に宿泊する。コロナで閉まってるけど、特別にスタッフの方にガイドしてもらいながら中をウロウロ。広いのなんの、開いた口が終始塞がらなかった。2ヶ月住む部屋も私が今住んでいるアパートより広い。。なんじゃこら、おとぎ話の中にいるみたいだ。。。

ここでは年中いろんなアーティストを迎えている。アートに音楽にいろんなジャンル。以前には高畑勲氏がここでワークショップや上演会を行ったり、昨年春には山村浩二氏が来仏するはずだったがコロナで残念ながら中止になったそうだ。
山村浩二氏といえば「頭山」というアニメーション。金沢美大で学生をしていたとき作品を見てかなりの衝撃を受けたのを覚えている。その時のことを考えていたら美大生だった頃の苦い思い出なんかも溢れてきて、すごい変な気持ちになった。。みんな何してんだろ。私は修道院歩いてるよ。。

そんで、この場所来た時めちゃくちゃ既視感があった。
 
あ!!!あれ?
 
私ここ来たことあるんじゃ…?と思って探したら、見つけた!

2009年の11月だから、フランス来て3ヶ月たらず。金沢美大の恩師の五十嵐先生と来ていた。11年前にふっと立ち寄っただけのところだけど、よく覚えているものだね。まさか長い年月を経て、ここでレジデンスするとはね。


これ、最近綺麗にしたらしい。


アトリエ。でも今回はあまり使わないかも、現地で制作がメインなので。

これ関係ないけど、ナントからソミュールの間で休憩中に食べた。セロリの葉をごま油としょうゆと砂糖とかで炒めたものを巻いた。予想以上に美味しかったのでモリモリ食べました。お米は再び登場、玄米。

金沢美大の五十嵐先生以外にも、青柳先生という素晴らしいお方がフランスによく遊びに来てくれていた。ナント美大で学生を始めた1年目は本当何にも成果がなくて、とにかく授業について行くのと何より生活をすること(仏語を使うこと)に精一杯であった。そんな中青柳先生がナントまで私に会いに来てくれて、私が相当へこたれている様子を感じ取ったのか
 
「古市さん、今は辛くてもとにかく頑張んなさい。1年で成果なんて出ないって。今は何もなくても、、、そう、10年後!10年後見返してやればいいのよ。」
 
と私を励ましてくれたのだった。
 
当時わたしは冷静に
 
(10年後…???すんごい先だな・・・私どこで何してるんだろ)と思いながらも
 
「頑張ります!」
 
 
と答えたと思うけど、そのときの「10年」という感じはすごく頭に残った。どうしようもない状況にいるとすぐ先のことで精一杯でパンク寸前。けど長いスパンで物事を考えられると、割と落ち着けるというものだ。
 
美術学校を卒業した後、アートと関係ない仕事を5年も続けて生活費を稼ぎながら活動続けられたし、友人らが次々に賞をとったりコンペに通ったりしても「みんなすごいなぁ」と客観的に思うだけだった。
「人と比べてもどうしようもない。私はコツコツ頑張って、青柳先生の言うように10年後どうなるか見てみよう」と思ってた。それでだめならだめ、うまくいけば続けるだけ。
 
 
そしたらあっという間に10年経った。自分が思っていた以上にいろんなところで活動をさせてもらっていて自分でも驚く。青柳先生の言葉のパワーが私を押し上げてくれたし、すごく力になったなと思う。



そういうことを考えながら2時間の運転中、今からの10年後はどうなっているんだろうと考えていた。そのころ私は43歳。どんな作品作ってるんだろ!楽しみだー
 

Aucun commentaire:

 
コルテオ 太陽光発電