2020-03-25

空港にて

何事もなく空港に着く。
駐車場に着くと警察官が10人くらいたむろしている。

車を駐車し、ジョンがカバンをトランクから出していると、彼らはのそのそとこちらに近づいてきた。


私が挨拶すると、挨拶を返されるがそのあとは何も言わない。変な空気。

私「特例外出証明書ですか?」
警察「はい、お願いします」

警察2「あなた方はなぜ空港に?」
私「彼はイギリス人で、飛行機で家に帰るんです」
警察2「そうですか」

特例外出証明書は二人分しっかり用意してきたので見せる。私が紙を手渡ししようとしたら
「僕らは触らないから、こちらに見せてください」
とちょっと面倒臭そうに言い、そのあとパスポートと滞在許可証を見せるよう言われる。


そのとき別の警察官が
「日本人ですか?」
と日本語で聞いてくるではありませんか!

私はびっくり😳
でも10日間の英語生活のあとの、たった今久しぶりに仏語で警察と話しているこの状況で、日本語でいきなり話しかけられて頭が追いつかずなぜか
「イエス!」
とがっつりカタカナ語で返してしまった。笑

少し経って頭を落ち着かせ、仏語で
「なんで日本語話せるんですか?」
と 聞いた。

彼の日本語発音がとても上手だったので、きっと日本人の奥さんとかいるんだろうと思ったら普通に
「あ、旅行で。。」
とこれまた流暢な日本語で返事が来た。


きっとこの警察官の方はもっと日本語で話しをしたかったに違いないが、私はジョンとお別れタイムでそれどころじゃねーんですー!(ごめんー!)


「良い1日を」と普通に仏語で返し、暇そうな彼らは今まで見たこともないようなガラガラな駐車場をブラブラと歩いていった。


ジョンと私ですが、次いつ会えるか、さっぱり分からん。悲しいし不安いっぱい。っていうかちゃんとイギリスまで本当に飛行機飛ぶのかな。

コロナはいつ終息するのか、、

昔日本にいた頃から持っていた秘宝のマスクを渋々装着するジョン。
「空港内は菌の巣窟だから。牧子は中に入らないで。ここでお別れしよう」
えーーーーー
本当は、ジョンは私に
「イギリスの田舎に、牧子も一緒に来なよ」
と言ってくれていた。何度も。

私はその提案を受けた時、全身がしびれるほど嬉しかったし、ベランダに出て大声で「行きたーーーーーーイ!」と叫びたかったくらい本当に行きたかった。
けど、イギリスに行って もしコロナにかかったら医療保険とかどうなるか分からないし、何かあったら日本帰れって言われそうだし、そもそも制作出来ない。レジデンス遂行中だ。。

でもそんな素敵な提案をしてくれて最高に嬉しかった。ありがとうジョン。

帰りの車、行きから聞いていた山下達郎のCDが一周して、さっきジョンと聴いていた曲がかかった。さっきまでジョンと一緒にこの曲聴いてたのに、何で今彼はここにいないんだろう・なんで私一人なんだろうと思うと、悲しくてワンワン泣いてしまった。

彼の帰国は、二人で相談しあって決めたことだとは言えすんごく悲しくて、自分が本当に自己中すぎて恥ずかしくて今後どうして生きていけばいいのか、いろんなことがグチャグチャになって私を襲って、思いっきり泣いた。


運転中に
頭を真っ白にして泣けるほど
道路に車は走っておらず、ずっと一人だった。
世界が終わって自分一人だけが生き残ってしまったような感覚だった。


Aucun commentaire:

 
コルテオ 太陽光発電